ケア21では、定年制度を撤廃されたそうですが、この業界は離職率が高く、ケア21も例外ではありません。
依田:今、業界での離職率は17%、当社は16.8%です。ただ、当社は年間20~30の新規事業をつくっていますので、どうしても辞める人は多くなるのです。ですから、我々の数字はそれほど高くないと思っています。
辞める人が多いことよりも、人が増えていることがプラスだと考えています。最近は、56、57歳で入社してくる人が増えていますよ。多くの会社では60歳や65歳で定年になるので、その前に居場所をつくっておいて、そのままずっと働こうという考えの人が少なくないのです。

夜勤をしてくれる 78歳の介護スタッフも
中高年にも介護の仕事は務まりますか。
依田:務まります。78歳で積極的に夜勤をしている人もいます。人それぞれですね。
高齢者の派遣事業も始めたので、彼らは3カ月に1度、健康管理のための体力判定試験を受けることになっています。その結果、弱いところがあれば、毎朝足上げの運動をしてくださいといったアドバイスをしています。また楽観的思考になってもらい、その後、プログラムで体力を維持し、上げながら働いてもらっているのです。心も体も元気になる派遣会社を目指しています。
もっと言えば、そうやって元気に働いている人も、いつかは介護をされる側に回りますから、そのときには当社のサービスを使ってもらえるので、従業員は増えれば増えるほどいいと考えています。
高齢者の派遣事業の他にも、ユニークな新規事業を手掛けていますね。
依田:高齢者のための巡回バス、「たのしいバス」もあります。年を取って車の運転ができなくなると、買い物や病院通いはタクシーに頼らざるを得なくなりますが、それではお金がかかりすぎます。だったら無料の乗り物を走らせようと考えました。
ただ、事業としてやるにはもうけなくてはなりません。そこで、地元のスーパーや薬局などにスポンサーになってもらっています。今、4台のマイクロバスを走らせています。まだ赤字ですが、恐らく軌道に乗ると思います。
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