社員全員が自ら考える会社にしていきたい

イベント体験ではなく、ブランド体験なのですね。

江草:そうです。これまでは私たちもイベントを開催することを目的にしていました。プロモーションをきっちりやるということです。ですがこれからは、イベントを通じてお客様にこれまでにない“感動体験”を味わっていただきたいと考えています。

 感動体験はクライアントのブランド力の向上につながるものです。感動体験をすることによって、ターゲットとする人々はそのブランドを好きになります。イベントにいらしたお客様からはSNS(交流サイト)で感動が発信され、あるいはマスメディアを介して、さらに多くのターゲットになる方々が間接的に体験します。彼らもファンになる。そこまでできる会社になりたいと考えています。

クライアントのファンを増やすための“感動体験“の提供は、TOWの経営理念になっている
クライアントのファンを増やすための“感動体験“の提供は、TOWの経営理念になっている

社長就任当時とは気持ちを切り替え、社員に受け入れられた江草さんですが、トップとして社員に対して改革したいことなどがあれば教えてください。

江草:オーナーが40年近く掛けて大きくしてきた会社ですから、その頃からのDNAがあります。素晴らしいものがほとんどです。創業者が社長のままであれば、そのDNAに基づく文化はそのままでもいいのだろうと思います。

 しかし、それを継いだ社長も、創業社長のように全て決めて全て指示していると、それが当たり前になり、社員は自分では考えなくなり、指示を待つようになるでしょう。指示にきちんと従うのは大事なことで、この会社の良い文化でもあるのですが、優秀な社員たちがもっと自発的に考え行動するようになってもいいと感じています。

 この会社は中堅企業ですから自動操縦はできません。当然ですが社長が決めるべきところは決めなければなりませんが、正解はないと思います。経営者だけでなく、皆が自分で考えられる環境をつくっていきたいと思っています。

 例えばアライアンスによって別の文化を持つ会社の人と一緒に仕事をするようになれば新しいことを知り、考えるチャンスも得られます。アライアンスは社員が自分から変わっていくシステムの1つでもあると思います。自分にない刺激を受けて、考えて、変わるのです。結論的に言えば、社員全員が自ら考える会社にしていきたい、そうしなくてはいけないと考えています。

(この項終わり。構成:片瀬京子、編集:日経トップリーダー)

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