まさに逆転の発想ですね。
高原:まず行動を変える。そうすれば意識は後から変わってくる。ですから、SAPS経営モデルでは、毎週、目標に従って翌週の行動計画を立て、私も社員も、まず実行します。そして結果を見て行動プロセスが適切だったかどうかを、課やグループ単位で開くミーティングで検証し合って翌週に生かしているのです。
意識と異なり、行動は第三者が確認しやすいメリットもあります。やったか、やらないかは一目瞭然ですから、私は「行動で示し、行動で評価する」と社員に伝えています。

ある社員が目標を達成できなければ、原因を関係者全員で検証して改善していきます。結果が出なかったことを個人のせいにして責めても何も生まれません。行動に問題がなかったのかプロセスを確認し、正しい仕事の進め方を身に付けたほうが成功に近づきます。武道で言うなら、何度も反復して正しい「型」を習得するイメージです。
ビジネスパーソンの能力に大差はない
行動が変われば、どんな社員でも成長するのでしょうか。
高原:個人差はありますが、着実に成長します。そもそもビジネスパーソンの能力に大きな差はないと私は考えています。でも、実際には成果を出す人とそうでない人がいる。では、なぜ成果を出せないのか。能力がまだ開花していないか、能力は備わっているがやる気が充実していない。この両方、もしくはいずれかが原因ではないでしょうか。
SAPS経営モデルでは、互いに協力し合いながら行動プロセスをチェックし、誤っていれば矯正します。だから、時間がかかっても、社員一人ひとりの能力は開花します。やる気がなくなりかかった人も仲間のサポートや指摘を受けて復活しやすいのです。
(このインタビューは「日経トップリーダー」2015年8月号の内容を再編集しました。構成:久保俊介)
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