紙おむつや生理用品などで国内トップメーカーのユニ・チャーム。アジアを中心に海外進出にも積極的で、高シェアを確保している国や地域も多い。強さの原動力は、「共振の経営」という独自のマネジメント手法を導入し、主体的な社員を生んでいること。「行動で示し、行動で評価する」と語る高原豪久社長に、社員の育て方について聞いた。

自身の経営スタイルを「共振の経営」と表現しています。共振とは、あまり聞き慣れない言葉ですね。

高原:共振というのは、適切な力を加えると、次第に振動の幅が大きくなっていく現象です。振り子を適切なタイミングで押すと、左右に揺れる幅が次第に大きくなる様子を想像してもらうと分かりやすいでしょうか。

経営陣と現場の社員が一丸となる仕組み

 

 この振り子の左右の端を、私は経営陣と、現場の最前線で働く社員とそれぞれ位置づけました。経営陣は現場の社員の知恵を生かす。一方、現場の社員は経営陣の方針をよく理解し、その視点で考えて行動するように努める。双方がコミュニケーションを取ってバランスを保つことができれば、組織全体の力がどんどん大きくなっていく。それが私の理想なので、「共振の経営」と名付けました。

たかはら・たかひさ
1961年愛媛県生まれ。86年成城大学経済学部卒業後、三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に入行。91年にユニ・チャームに入社し、2001年から創業者で父の慶一朗氏(取締役ファウンダー)の後を継いで社長を務める(撮影:菊池一郎、以下同)

 それに、新たな力を加えずにしばらくそのままにしておくと、振り子の揺れは徐々に収まって最終的に1つの場所に止まりますよね。この流れが、まさに経営陣と現場の社員が一丸となって共通の目標に向かうイメージとぴったりだったことも、共振という言葉を選んだ理由です。