「マルチブランド戦略」でダイバーシティとドミネーションに対応
川島:ここ数年のM&Aも含め、シチズンブランド以外にも、たくさんのブランドをお持ちです。
戸倉:スイスの機械式時計メーカーである「FREDERIQUE CONSTANT」は、時計の本場であるスイスの企業ですが、ベンチャーとも言える歴史の浅さにかかわらず、高級時計分野において、巧みにブランドを築いているところ。うちが学べることはたくさんあると考えています。
また米国の「BULOVA」は、中価格帯市場の腕時計において、米国で高いシェアを持っています。そういった独自の個性を持ったブランドを傘下に置くことで、「多様性」に対応していきたいと考えているのです。いわば「マルチブランド戦略」と言えることを推し進め、シナジーを出しながら、市場におけるシチズンという企業の存在感を作っていくことが大事ととらえています。
川島:その時、シチズンらしさはどこに向かうのでしょうか。
戸倉:「市民に愛され市民に貢献する」という企業理念が、われわれのベースにあるものです。違う国籍、違う文化の人たちと一緒になった時に、「多様性」を受け入れながら、シチズンとしての行動規範を貫くことが大切だと思っています。
そうやって、ダイバーシティーに対応する一方で、グローバルカンパニーによる寡占化であるドミネーションに対応していく必要もあるととらえていて、それがシチズンという企業のブランド戦略に大きくかかわってくる大事なポイントです。
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