場所と時間を指定して来てもらうから深く刺さる

別の観点からお聞きします。今はスマホを通じてデジタルマーケティングが全盛の時代です。商品も店舗なんかなくたってウェブで売ればいいと考える会社も増えてきました。教育にしても、動画配信で学ぶことだってできる。そうしたご時世の中、あえてリアルな空間で消費者と接するのは何故ですか。

鳥屋尾:そうですね。京都駅に近いとは言え、この場所に、指定された時間に来てもらわないと、講座は受けられないわけですから、すごくハードルが高い話なんですね。マスを相手にしたコミュニケーションではないので、1つの挑戦ではあります。

 ただ、深く刺さるということには大きな意義があると思っています。直接会うことの大事さというのはすごくよく分かっていて、先ほど下着のワークショップのお話をさせてもらいましたけど、同じテーブルを囲んで、わいわいやって、共感を持つということは、やっぱりいろいろなことに作用するんですよね。気付くだけじゃなくて、次の動作まで変わる。

 広報宣伝の視点から申し上げると、メディアを介して自分たちが考えていることをお客様に伝える。マスを相手にする場合、それが最も効果的です。

 ただ、例えばグループインタビューをしたとします。グループインタビューでは、自分たちが伝えたいことも一緒にお話しできます。私たちは体型に関して膨大なデータがあるので、その体型データを基にお話しすると、10人が10人、これから下着を買いに行きます、と言っていただけるんですね。深く知ると、行動が変わるということを経験してきました。

要するに「空中戦」と「地上戦」なんですね。マスに対してテレビ広告やウェブ動画でドカーンと空中戦をやる。そうすると広く浅く、認知は広がるけれど、それだけでは簡単に「売り」にはつながらない。だからこそ地上戦で深く刺さるプロモーションを仕掛ける。その両者が結び付いたとき、消費者はどっと動く。

鳥屋尾:それはもう分かっているので、ダイレクトに少人数でいろいろなコミュニティーみたいなものをつくっていけるような、そういうコミュニケーションをやりたいと思っています。ネットはネットでいい面があるので、このスタディホールではお客様とダイレクトにつながることを目指していきます。

このスタディホールの売り上げ目標を教えてください。

鳥屋尾:オープンから半年、2017年の3月末までに延べ1200人の集客で、売り上げは485万円を予定しています。5年目で売り上げは1億400万円、利益は2800万円。年間集客数は3万人を目標にしています。

 今後は、企業間連携も仕掛けていきたいと思います。「美」をコンセプトにしているので、同じアパレル業界だけでなく、化粧品や家電のメーカーとも相性が良いはずです。

 例えばパナソニックさんは、「ワンダーラボ」という施設をお持ちです。そちらで今度、美に関するイベントがあるので、私も講師の1人としてお話しさせていただきます。私たちもいろんな会社と美をテーマにした場作りをしていきたい。お客様とのコミュニケーションがウェブ中心になってきたからこそ、やっぱりリアルな繋がりを大事にしていきたいのです。