早川:そもそも人間の体は、「意識的な動き」「意識的な働きかけ」だけでは十分に健康にはなりません。

??? いしきてきなうごき? はたらきかけ?

早川:人間の動きには「意識的なもの」と「無意識的なもの」があります。筋トレは「意識による動き」です。

そりゃそうです。意識してバーベルを持ち上げたり、腕立て伏せをしたりするわけですから。

早川:一方で、例えば熱いものに触ってしまった時に反射的に手を離すのは「無意識による動き」です。

確かに。

早川:そして、人間の体は「意識的な動き」だけで体を鍛えたり、悪い部分を直そうとしても、なかなか効果が現れないばかりか、かえって逆効果になってしまうこともある、と井本整体では考えます。

「肩凝りよ、治れ、治れ」と意識して働きかけても、肝心の肩は言うことを聞いてくれない、と。確かに、マッサージもにんにく注射も即効性はあっても持続性はない気がします。

早川:肩が凝っている人が集中的に肩をほぐしても、一時的に楽にはなっても翌日にはぶり返すことが多い。時には前よりこわばってしまうこともあります。

悪い部分を倒すには「意識の外からの働きかけ」が大事

しかし、だからと言って、無意識に体の悪い部分に働きかけるなんて、そんなこと不可能でしょう。胃が痛い時に薬を飲むことも、胃に対する意識的な働きかけですよね。胃腸をリフレッシュしようと断食に取り組むのだって、意識的な気がします。人間の体の悪い部分をやっつける方法が「意識の外からの攻撃」しかないのだとすれば、もう打つ手なしじゃないですか。

早川:はい。この問題を解決するために、井本整体には人体力学という理論があります。その中の“連動性の活用”について説明しましょう。体の中では臓器、骨格、筋肉が密接に関連していて、1つの臓器だけが単独で悪くなることはあまりありません。例えば、心臓に問題が起きる原因はいろいろありますが、現代人に多い原因の一つが「胸椎の3番」の硬直です。胸椎3番、すなわち呼吸器を司る箇所に問題が生じて、そこから“連動”して心臓に負担をかけることがあるのです。

――きょうついのさんばん?

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