プルサーマルで出る「核のゴミ」に課題も

もんじゅの失敗は核燃料サイクルの破綻を意味し、再処理もやめるべきだという意見もあります。電力会社はMOX燃料を使ったプルサーマルの維持を主張していますが。

田中:そうですね。プルサーマルはやったらいいんですよ。それをやらないと、せっかく作った施設が無駄になりますから。コストは高いですけどね。

 ただ、問題は、プルサーマルをやると、使用済みのMOX燃料が出てきますよね。これは、六ヶ所村の施設では処分できず、直接処分するか、または別の再処理工場を作らなくてはなりません。使用済みのMOX燃料を直接処分するならば、最初から使用済み核燃料を再処理してMOX燃料など作らずに、直接処分しておけばよかったわけです。もし、プルサーマルを続けるのなら、使用済みMOX燃料を再処理する新たな施設を作ってプルトニウムを使っていくというプロセスを繰り返すことになる。つまり、第2再処理工場、第3再処理工場が必要になってくる。

 ですので、そうならないためにも、統合型高速炉を作って、使用済みMOX燃料も燃やしてしまえばいい。

 もんじゅについて言えば、「もんじゅは危ないから潰してしまえ」というのは、正直もったいないと思っています。例えば、統合型高速炉は金属燃料を燃やすのですが、もんじゅで金属燃料を燃やす実験ができるのではないでしょうか。従来通り発電を続けますというのでは国民の理解は得られないでしょうが、次の核燃料サイクルのための技術開発に生かすという方向性も、議論してもよいでしょう。

仮に統合型高速炉を今から実験し始めたとして、いつ頃から作り始められるのでしょうか。

田中:どう考えても2030年代でしょうね。軽水炉の寿命は40年、延長しても60年という中で、2030年代には次々と廃炉が始まっていきます。その時までに、次に何をするのか考えておかなければなりません。

 もちろん、再生エネルギーは技術革新が進み、コストは下がっていくでしょう。バッテリーの技術も進む。核融合も実現するかもしれない。しかし、それでも原子力なしでいけるのかというと、苦しいのではないでしょうか。

 そういう意味で、持続可能な原子力のオプションも持っていた方がいい。原油もガスも、再生エネルギーも、うまくいかないという事態が出てくるかもしれない。そういう時のために、原子力というオプションは残しておいた方がいいと思います。
   エネルギー問題に関する議論は、石油の価格の話から、最終的には原子力の是非まで総合的にしないと、完結しない。中東やロシア、原子力など、すべてのピースは関連しているのです。それをぜひ、皆さんに理解してもらい、幅広い議論につなげていただきたいと思います。