いいきっかけをもらった。

川鍋:…だけではもったいないと思いまして、改めて宣伝部として梅田さんにご相談して、引き続き協力をいただける体制に。

いい案だと思いますが、追加予算、大丈夫でした?

川鍋:上長に提案して、そこはいろいろと調整してもらって(笑)。そもそもは、新しいことに積極的にチャレンジしていこうという部署としての、というか全社的な流れがあって、その中だからこそ実現したことだと思います。

梅田効果はどのような?

技術10年、宣伝5年

川鍋:広告のクリエイティブを正真正銘のプロに任せることで、それ以外の宣伝活動にしっかり手を届かせることができるようになりました。すべて自分でできれば申し分ないですが、従来は、できる範囲ではベストを尽くしました、ということになっていた。
 手が足りないからと安易にアウトソーシングしても、実際は自分のイメージと違う点に関してやり直しやらが生じて、結局、打つ手が至らなかったり…。
 それより、任せるべきはプロに任せ、ああ、時間があればもっとできるのに、と諦めていた部分にどんどん手を伸ばした方がいい。

 「陸王」では中小企業庁さんとのコラボが実現しました。中小企業の皆さん、頑張りましょう!と元気づけるポスターに役所さん演じるこはぜ屋社長が登場して、全国の商工会議所などに貼られています。実は以前、私が担当していた「下町ロケット」でも中小企業庁さんから関心を持っていただいたんですが、番組が始まってからのことで、オンエア中のコラボは実現しませんでした。今回、放送前から先手先手で動けたことで実現できました。

 ミズノさんともコラボポスターができました。劇中に出てくるこはぜ屋のマラソンシューズ「陸王」は、池井戸さんの頭の中にしかなかったものを具現化する必要がありました。そこでご協力をいただいたのが、これまで数々のトッププロのためにシューズを製作してきた「チーム・ミズノ」。すばらしい出来栄えでドラマのリアル感をグンと高めてくれています。これも先手が打てたので、放送前からミズノの全国店舗にポスターを貼っていただくことができました。本当に走りやすそうで、現実に「これ下さい」と店員さんに尋ねる人が出てくるんじゃないかな。

事前告知やらコラボ展開やら、それ自体は他でもいろいろやっているとしても、ポイントは、それをしっかり実現するための体制づくりにある。そのあたりを「いろいろやっている」と外部の方が注目していたのですね。
 しかし、実際に組織の常識を変えるというのは何かと大変ですよね。そもそも、川鍋さんは宣伝部、長いんですか?

川鍋:異動してきて5年になります。

その前は?

川鍋:入社からずっと技術職で…。

え、それは珍しいパターン。そもそも理系なんですか?