左巻:グルコサミンは関節の痛みを改善するといわれる物質で、多くの健康食品に配合されています。グリコサミノグリカンの構成成分となるのですが、このグリコサミノグリカン自体は関節や関節軟骨、関節液などにあって、組織を柔軟にしたり、水分を保持して潤わせる作用があります。ただしそれは老化により自然と減少してしまう。

なら、どんどんグルコサミンを摂取して膝にそのグリコなんとかを注入すればいいのでは。ウコンやベータカロテンと違って、年を取って減ってきた分を補おうって話ですから、過剰摂取にはなりませんよね。

左巻:ところが、問題が2点あります。1つは、グルコサミンは体内に入ると糖やアミノ酸に分解されますが、それが再びグルコサミンに合成されるかについては強い疑問があります。そしてもう1つ、たとえ再合成されても,ひざなどの軟骨部にはあまり血管がなく、成分がひざに到達してない可能性もあります。

肝心の部分に届いてない? 仮にそうならグルコサミンを飲んでひざがよくなったと感じるのは、全部プラセボ効果ってことになりますよね。

左巻:間違いなく言えるのは、医薬品と違い、しっかりした調査研究を経て科学的に効果が証明されているサプリはごく少数だということです。僕自身は、プラセボを超える効果を求めるという前提に立つならば、大半のサプリには利用価値がないと考えています。

最強は「毒にも薬にもならないサプリ」

でも先生、たとえプラセボでも飲んで本人が「効いてる!」と実感できるなら、それはそれでいいんじゃないかとも思うんですが。

左巻:そういう考え方もあるとは思います。サプリを利用して本人が前向きな気持ちになれたり、癒しを感じられたりするのであれば、全く無意味とまでは言えないでしょう。もちろん、たとえ癒しを得るためでも副作用があっては元も子もありませんから、どうしてもサプリを取りたいなら、「絶対に安全なサプリ」、言い換えれば「毒にも薬にもならないサプリ」を摂取するといいでしょう。

決して安いとは言えないサプリ代は、「プラセボ効果を引き起こすためのコスト」と割り切ればいい、と。仮にそうだとすると、サプリというのは何とも不思議な商品ですね。