左巻:1994~2003年に日本で発生した、痩せ薬以外の健康食品・民間薬による薬剤性肝機能障害の原因の4分の1はウコンです。その他にも、ウコンはアレルギー症状を起こす場合があります。

とはいえ、ウコンサプリは今や多くの会社員の必須アイテムになりつつあります。旧態依然とした日本企業の多くではいまだ、飲み会への頻繁な参加は出世及び「会社の中の居場所作り」の必要条件の1つですし、ウコン系サプリメントを命綱に日々飲み会に参加している人も沢山いるはずです。そして、実際にウコンのおかげで二日酔いにならずに済むと言う人もいます。あれらが全部プラセボ効果とは思えないんですが。

左巻:もしかしたら効くのかもしれません。僕が言っているのは「ウコンの肝機能障害抑制効果に十分なエビデンスがないこと」と、「ウコンによる健康障害が存在する」という事実だけです。ただ、効いているとすれば、人体に何らかの生理活性作用を起こしているわけですから、それはそれで体内のバランスを崩し健康被害を及ぼす可能性が出てきます。ウコンによって、かえって肝機能障害が起きるのも、このためかもしれません。

 どんな方法にしろ、人間の体内でバランスがとれていることをむやみにいじるのは危険なことなんです。ウコンに限らず、ベータカロテンやビタミン・ミネラルについても言えるのですが、野菜などを通じ普通の食事として体内に取り込む分には無害あるいは何らかの健康増進効果が見込めるものでも、サプリという形で単一成分だけ取り出して過剰摂取するのは危険である、というのが僕の基本的な考えです。

ベータカロテンがかえってがんリスクを高める!?

同じ成分でも、食事経由はよくても、サプリ経由は危ない、と。

左巻:実際、1994年にフィンランドと米国の研究所が実施した共同調査では、「ベータカロテンをサプリで摂取すれば、野菜や果物をたくさん食べるのと同じようにがんが予防できる」という仮説とは全く逆、つまり「高用量のベータカロテンのサプリとしての服用が、喫煙者の肺がんリスクを高める」という結果が出ています。一方で、2003年の藤田保健衛生大学などの、3万9000人を対象にしたベータカロテンと肺がんリスクに関する研究では、「食事から採ったベータカロテンの血中濃度が高いグループは、低いグループより死亡率が低い」という結果が出ています。

なるほど。こうした傾向は他のサプリにも言えることなんですか。例えば最近流行のグルコサミンなどはどうなんでしょう。