どうしても吸いたいなら葉巻か電子たばこ

何か要因は分かっているんでしょうか。

鈴木:タバコの中の発がん物質が、女性のX染色体、もしくは女性ホルモンと悪い相互作用を引き起こすことが学術的にも分かってきています。だから最近、若い女性がダイエットの目的でタバコを吸ったりするのは、絶対に止めてもらいたいですね。妊娠のことを考えても、良いことは1つもありません。

どうしてもタバコが止められない人は、どうすればいいですか。

鈴木:いろいろ方法はあります。例えば、葉巻はあんまり肺がんと関係ないと言われているんですね、量を吸えないから。タバコだとチェーンスモーキングになるでしょう。葉巻というのは吸っても結局、煙があんまり肺に入ってこないし、すごく時間がかかる。だから肺がんの発症とは、あんまり関係ない。

女性には特にたばこを吸ってほしくないと語る鈴木教授(写真:鈴木愛子)

 最近増えている電子タバコは、紙巻きタバコよりはましでしょう。ニコチンだけを液体にして気化して吸うので、どうしても吸いたいんだったら、まだ電子タバコの方がいいでしょう。

 繰り返しになりますが、タバコは止めた方がいいですよ、絶対に。先ほども申し上げた通り、肺は痛みを感じないので肺がんは見つけにくい。自覚症状が出るまで肺がんが進行していたら、もはや手遅れなのです。手術でどんなにきれいに摘出できたとしても、リンパ節に転移しているようであれば再発します。喫煙していると、肺がんの悪性度は確実に悪くなります。

肺がんを予防するためのポイント
  • タバコを吸わないから肺がんにならないとは限らない
  • ただ、喫煙が肺がんの悪性度を高めることは科学的に明らか
  • 胸部レントゲン写真だけでは肺がんを見つけきれない
  • 非喫煙者であれば5年に1回のペースで胸部CT検査を受ける
  • どうしても禁煙できない人は電子たばこか葉巻を吸う

手術する前にリスクが分かる

鈴木:肺がんが見つかったならば、CTスキャンでグレーディングができるようになりました。

グレーディングとは何ですか。

鈴木:予後因子を解析できるようになったということです。CTの画像を見ることで、比較的治りやすいがんなのか、治りにくいがんなのかというのが、手術をする前にある程度分かるようになってきました。

 だからその予後に応じて、治療の方針を決めることになります。肺がんに対しては、放射線治療と抗がん剤の投与、そして手術によるがん組織の摘出が対処法となります。

 肺がんがなぜ人の命を奪うかというと転移するからです。転移する場所はだいたい5カ所。脳、肝臓、副腎、骨、そして片方の肺であることが分かっています。転移している、もしくは転移が予測されている場合には、抗がん剤を投与します。

 手術で取れるようだったら摘出します。しかし、がん細胞が心臓に密着していると摘出は難しいので、放射線治療に切り換えます。ただ、放射線と肺というのは非常に相性が悪いのです。