頻繁に日本に行っていると聞きます。

ドミニク:通常、アジアでオフィス開設に最適なのは香港と言われていますが、私は若い頃から日本に行くのが夢でした。日本の文化やカルチャーに惹かれていたからです。子供の時はアニメ映画、10代の時は忍者映画、その後も日本の映画をずっと見てきました。日本が数十年にわたって技術に関するイノベーターだったというのもあります。

 それで、3年前に航空券を買って休暇で日本に行き、日本でビジネスを始めることにしました。渋谷のキャットストリートにオフィスがあります。今も2カ月おきに2週間滞在して、日本でのプロジェクトを進めています。

頻繁に日本を訪れ、新しいプロジェクトを仕込んでいる(写真:Allen McInnis)

Moment Factoryのプロジェクション・マッピングには一つとして同じモノはなく、毎回のように新しい技術やアイデアを導入していると聞いています。

ドミニク:われわれは年2回、「ワークショップ」と呼ばれる社内向けのR&D発表会を開催しています。これは開発中の技術を社員や彼らの家族、友人などに試験的に披露する場で、ここで評価を得た技術はすべてクライアント向けのベータ版になります。

 Moment Factoryは「move:動く」「connect:つなげる」「mixed reality:複合現実」「RTG:リアルタイム・グラフィックス」という4つの軸でR&Dを進めており、ワークショップではこの4軸に沿って発表があります。アプリなどの開発が終わっていなくても、どんどん技術をテストしていきます。

 ワークショップのいいところは、参加者の反応がすぐに分かるところです。即座にフィードバックが返ってくるのですぐに修正できます。ブラックボックスの中で立ち往生することがなくなります。

開発した技術は本社の一角で実際に体験することができる

あくまでも自社向け?

ドミニク:そうです。ただ、ワークショップで評価を得たものはクライアント向けのアイデアになる。研究開発において重要なのは、失敗を恐れないことと実際にテストしていくことです。多くのイノベーションは苦労すること、つまり問題から生まれます。こういった問題の解決方法を探すために実験を繰り返すことで、素晴らしい発明やイノベーションが生み出される。