キャッシュレス決済の普及にも力を入れると表明しています。

山下:ローソンだけでなく、地域の小売店でも使ってもらえる決済基盤を築いていきたい。キャッシュレス決済が日本で普及しない理由の一つが手数料です。ローソン銀行の強みは、すでにローソン全国1万4000店という店舗網があり、最初からスケールメリットを享受できること。これをローソン以外にも広げて、キャッシュレスな決済インフラの利用に必要なコストを下げていきたい。

しかし、3メガバンクが既にQRコード決済の規格づくりで協力する方針を決めています。「LINE Pay」や「Origami Pay」など、銀行以外のベンチャー企業が提供するキャッシュレス決済の基盤もあります。

山下:支払いの最後の規格がQRコードなのか、バーコードなのか、(近距離無線通信規格の)NFCなのか、プラスチックのカードなのかということについては、色々な手段があります。けれど、それはどれでもいいんです、お客さんが自分の好きなものを選んでくだされば。我々は、その裏側にある決済の根っこのところを押さえたい。そして少なくとも日本では、その根っこになっているのは銀行口座です。

たとえばローソン銀行がつくり上げた決済の基盤が、セブンイレブンやファミリーマートで使われるようなこともあり得るのですか。

山下:それはあり得ると思います。

そこは別にエクスクルーシブでは全くないということですね。

山下:全然ないですね。基本はオープンです。

「情報銀行」は慎重に考える

資産形成に資する金融商品という意味では、最近はLINEやKDDIなど様々なプレーヤーが登場しています。協業もありえますか。

山下:可能性があれば是非やりたいなと思っています。特に通信キャリア各社は、ドコモさんはじめ非常に力を入れている分野です。我々は誰が相手であろうとオープンです。

イオン銀行のように、住宅ローンなどの融資業務を行う考えはありますか。

山下:我々は銀行ですので、お客のニーズがあれば当然その機能は持ちたいと思います。一方で既存の銀行との違いを大切にしたいという思いもあります。バランスシートを使って商売しているのが既存の銀行であるとすれば、たまたまATMから始まりはしますが、私達は手数料を中心とした、バランスシートを使わないビジネスを強みにしていきたいというのが、基本的な考えです。

キャッシュレス決済を推進すれば、日々の決済から様々なデータを得ることができます。このデータを収益源にして、「情報銀行」として稼ぐ考えはありますか。

山下:関心はあります。ただ個人データの扱いは難しい。そこは慎重に考えます。本格的にデータ銀行、情報銀行をやろうとすると、(情報の保全などで)とてつもなくコストがかさむ恐れがあります。自分たちが全てのデータを持つ必要があるのか、使えるものだけを抽出して使う、という手もありうるでしょう。

ローソン銀行は、ローソン・商社・銀行など、様々な立場から人材が集まっている会社です。社長として社内をまとめるのは苦労も多いのでは。

山下:それは、もう本当に大変ですよ(笑)。みんなバラバラに話をしていますから。ですが、それはいいんです。この銀行はそういう銀行にしていきます。私は赤い銀行とか、青い銀行とか、緑の銀行とか、信号みたいに言われるのは嫌。いま150人弱の社員がいますが、150人150色でやっていくと話しています。方向性だけ合致していれば、一人ひとりが自分の色を持った銀行でいいと思っています。