そりゃそうです。まだ18歳なのに大変過ぎます…。

高橋:そのうち職歴に空白期間が増え始め、ますます就職先が限られる、という負のスパイラルに陥っていく子もいます。

薄々知ってはいましたが、一部とは言え児童養護施設で育った子達がそこまで苦労しているとは…。

高橋:もちろん、ここまで苦境に陥る子は全体の一部です。この取材を受ける時に悩んだのは、こういう話をすることで「児童養護施設出身者=全員が可哀想で不幸」というイメージがついてしまわないかということでした。実は私自身、今の仕事をするまでそれに似た先入観を持っていたのですが、およそ4人に1人は大学まで進学しますし、高校を卒業して最初に就職した企業で元気にやっていく子も沢山います。しかし、たとえ一部でも、厳しい状況にある子がいるのも厳然たる現実です。誰かが何とかしなければならないと考え、支援ビジネスを始めました。

「2度目以降の就職」を支援し負のスパイラルを絶つ

なるほど。ただ、この問題はとても根深いです。本当に改善するには、「高校を卒業したら、原則として施設を出なければならない」という児童養護施設のルールや、「保証人がいないと家を借りにくい」「住所がないと就職できない」という産業界・不動産業界の商習慣など、様々なものを見直さねばなりません。

高橋:それでも何かを始めなければ状況は変わりません。そこでまずは、児童養護施設出身者の中でも「1度目の就職に失敗し次が見つからない子」のサポートから始めようと決めました。

まずは、先ほど説明されたような末路に辿り着いてしまう児童養護施設出身者を1人ずつでも減らしていく、と。具体的には何をするのですか。

高橋:シンプルに「2度目以降の就職」を支援します。先ほど申し上げた「負のスパイラル」に陥りかけている児童養護施設出身者に、ボーダレスキャリアへ登録をしてもらい、それぞれに適性のある就職先を見つけ出し、正社員採用を前提として仕事を斡旋します。

困っている児童養護施設出身の子は住所がないので、就職は簡単ではないのでは。

高橋:確かに住む場所が安定しないと、就職やその後の就労で躓くケースは多いです。そこで私達も独自にシェアハウス運営会社と提携して保証人なしでも部屋を借りられる仕組みを構築しました。また、実際に事業をやっていると、住む場所の確保が出来ない人向けに支援をしている団体などとの繋がりもでき、そこは何とかなっています。

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