緩和を「当分の間」継続は政府への配慮

どの程度の利上げがあり得るとみているのですか。

木内:一気に引き上げることはありません。急に引き上げると、国債価格の下落で銀行に損失が出ることになるからです。少しずつやるとしても、短期金利をマイナスのままにして長期金利を将来的には0.5%くらいにしていくことはあり得ると思います。

しかし、フォワードガイダンスでは、現状の金融緩和を「当分の間」続けるとしています。

木内:フォワードガイダンスの導入にはいくつかの狙いがあると思います。1つは、事実上の正常化をゆっくりと進めるため。大きな変化を起こさないという意志を見せることです。2つ目は政府への配慮です。2019年10月に消費税の引き上げが予定されています。その時期と金融緩和からの正常化が重ならないようにするという政府へのメッセージではないでしょうか。

 3つ目は円高対策です。金融緩和を継続しないとなると、外債などへ向かっていた機関投資家のマネーが還流し、急速な円高をもたらしかねない。それは止めたいわけです。4つ目は、金融政策を決める政策委員の中の(さらなる金融緩和が必要だとする)リフレ派への対応でしょう。

 特に政府への配慮は大きいのではないでしょうか。

ETFとREITの買い入れ方の変更の狙いは。

木内:買い入れ額は変更していませんから、例えば年間約6兆円購入しているETFを3兆円にするといったことはありません。

 しかし、基本的に株価が下がった時に買うことにしていますから、上昇時には買えない。すると、株価上昇が続くと購入できない期間が続くこともありえます。その状況で期末になると、無理をしてでも買わざるを得なくなる。そうしたことはしませんというのが今回の変更。期末に近くなって5兆円しか買っていなくても、市場の状況によっては無理な買い入れはしないということです。

 TOPIX連動型の比率を高めるのも含めて、特定銘柄や市場の株価への影響をできるだけ抑えたいというわけでしょう。

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