リベラルアーツをしっかりと学んだザッカーバーグ

成功しているテクノロジー企業の創業者はFuzzyの重要性を理解していたのでしょうか。

「フェイスブックのザッカーバーグCEOはリベラルアーツにも秀でている」

ハートレー:私たちはフェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)を技術者だと捉えています。もともとはプログラマーであると。ただ、彼が高校でリベラルアーツ(一般教養)をしっかり勉強していたということを忘れています。

 彼は古代ギリシャ語やラテン語を学んでいるし、中国語も話す。ハーバード大学では心理学を専攻しました。テクノロジー系の人間だと思われていますが、彼は他の学問にもかなりの素地があります。だからこそ、魅力的な製品・サービスを開発できているんだと思います。

 他にも、ピンタレストを創業したベン・シルバーマンはイエール大学で政治学の専攻です。ペイパルを創業したピーター・ティールは哲学と法律、リンクトインのレイド・ホフマン、スラックのスチュワート・バターフィールドはともに大学院で哲学を修めました。

 スタートアップを始めるということは質問し始めるというのと同じです。最低限のプロダクトを作り、それを使って修正し、データを取り修正し……。こういうプロセスは問いを重ねて真実に近づこうとする哲学に似ています。

 起業家を目指す多くの若者はザッカーバーグのようになりたいと思っています。ただ、彼自身も言っていることですが、現実には夢中になれるもの、本当に関心があるもの、人生の10年を捧げてもいいような問題から始めないと続きません。

 そういった問題は、実は他の領域、他の学問に根ざしています。そういった問題が見えて初めて、テクノロジーを問題解決のために活用できる。プログラミングのコードだけでなく、問題解決の前提となるコンテクストとコードの両方が必要だということです。

技術の前に、社会の問題を把握することが重要だという話ですね。

ハートレー:新たなプロトコルやコンピューター言語、ハードウェアを作るエンジニア、あるいはテクノロジーを進化させる技術者は常に存在しています。同様に興味深いのは、思ってもみなかった分野にテクノロジーを活用する、技術者ではない人々もいることです。優れたスタートアップを作りたいのであれば、何が問題なのか、そこにどのように技術を活用したいのかということを理解しなければなりません。