電力自由化は追い風
今年4月から電力自由化になりました。電力会社向けに電気機器を売るシュナイダーとしては、追い風なのですか。
松崎:それは追い風です。自由化されたら、新しい電力会社が参入してきます。そういうところは今までの既成の取引先とか、既成の会社にとらわれずに良いものを取り入れていただける可能性が高まります。
もちろん日本の東芝さん、三菱電機さんとかも素晴らしい製品、ソリューションをお持ちですけど、我々もやっぱり得意な分野で、それなりの製品を持っています。機能とかコストだけをフラットに比較していただければ我々の方がいいものもありますので、そういうのが新規参入の電力会社さんには取り入れられやすいと、そういうメリットは期待できます。
既存の枠組みだと、東京電力であれば東芝とか、もうパートナーがほとんど固定されてしまっていてなかなか付け入るすきがない、と。
松崎:現時点で弊社に劇的な変化があったというわけではありませんが、電力の小売り自由化も含めた一連の「電力システム改革」においては、海外の制度や先進事例に目を向けられる機会も増加したことに伴い、新たなマイクログリッドシステムやスマートエネルギーのプロジェクトを実証していく中で、当社に関心を寄せられ問い合わせをいただいています。
「IBMの外に出て、自分の能力を試したかった」
話は変わりますが、松崎さんはどういう経緯でIBMからシュナイダーに転職されたのですか。
松崎:IBMは素晴らしい会社で、本当にエクセレントカンパニーだと思います。40万人の社員をきちっと成長路線で持っていくって素晴らしい。ただ、IBMって、米国で働いたらすげえ楽しい会社だよなと思ったんですよ。アメリカのIBMコーポレーションで。
日本IBMでは最後、営業部門の常務までさせていただきました。ただ、自分で決められることが年々狭くなっていくのを感じていました。極端なことを言うと、新しい部も作れない。自分の部下の評価制度なんかもグローバルで統一だし、もちろん自分で投資とか、戦略なんかもほとんど決められない。
外資系だと、日本法人トップでも、結局、日本事業の部長ぐらいの権限しか与えられてない、というのはよく聞く話です。日本IBMでもだんだんそうなってきていると。
松崎:なってきていますね。IBMでいろいろ経験させていただいたことも多かったし、もうちょっと自分でいろいろな権限があって、自分の経営能力を試したかったというのがありますね。
シュナイダーも外資系なので、私自身が出る株主総会もないですし、IRとかもないです。けれども、例えば組織の変更とか、人の評価制度だとかというのは私自身でいろいろ変えられます。それこそどういうのにお金を使うかというのも、ある程度の範囲であれば自分で変えられます。自分の能力を試してみたかったというのは、シュナイダーに転職した一番大きな理由です。
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