3月にスタートしたNHK動画サイト「1.5ch」、なかなかユニークなコンテンツが増えてきましたね。
小国:ありがとうございます。「NHKの番組のオイシイところをオイシイかたちでお届けします」というコンセプトでサイトを立ち上げて、番組のエッセンスを凝縮した短めの動画コンテンツが現在200本を超えました。

番組をダイジェストした予告編などは本放送でもたくさんオンエアされていますが。

小国:1.5chは、見逃した番組のおいしいところをキャッチアップできるのがいいところで、予告編とはまた違った役割を担っています。
そもそもは、ずっともったいないなあと思っていたんです。いい番組がたくさんあるのに、ちゃんと皆さんに届けられていないことが。
アウトプット先としては、1.5chのサイトにコンテンツがアーカイブされていって…。
小国:フェイスブック、ツイッター、ユーチューブで配信しています。
新しい企画を立ち上げてみて、社内の反応はどうでしたか?
「U59問題」と「どうでもいいです」の狭間で
小国:事前に社内アンケートを取ったのですが、思いのほか好感触でした。そもそもNHKは今、「U59問題」に直面していまして。
U59?
小国:視聴者の高齢化が進み、59歳以下の方々、特に若い人たちになかなか見ていただけないという課題です。番組制作の現場としてはいい番組を作っている自負はあるのだけれど、なかなか若い人にリーチできないという忸怩たる思いがあります。
いわゆるデジタル世代の若者たちにネット配信のような形で番組の情報を届けたいという気持ちは持っているのですが、いかんせん、番組制作に全力を投じていると、そうしたプラスアルファにまで手が回らないという声をたくさん聞きました。
そこで、専任の編集部を立ち上げてウェブ用のコンテンツを作り、それを流通させる仕組みまでやります、と宣言して始めました。
編集部の体制は?
小国:今のところ4人です。私が編集長としてコンテンツの制作や配信計画などを担当して、社内外の諸々の調整をしてくれるプロデューサーと、放送番組制作班との様々な調整をしたり、動画制作の進行管理や著作権管理を行うスタッフがいます。
WEB用コンテンツの制作は…。
小国:一部は内製ですが、基本は外部のコンテンツ制作会社に協力してもらっています。
いわゆる番組制作会社とは別の?
小国:はい。「デジタルの世界の文法」を知っている専門家たちと組んで、社内の会議などにも出てもらって。
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