勝久氏の新会社に、どう対峙する?

おしかりというのは、やはり接客の仕方の変化に伴うものですか。

大塚:そうですね。接客が雑になったみたいな言われ方をすることはあります。プロキシーファイトの中で文脈がつくられて、大塚家具は接客サービスをやめちゃったんだというふうに解釈された方もいます。それは、私たちの努力不足というところなので、それをちゃんと受け止めて、そう思われない、そう誤解されないように頑張って現場をよくしていこうよというのが今やっていることなのです。

大塚家具を去った大塚勝久氏が私財で立ち上げた匠大塚が、埼玉県春日部市に「日本最大級」という店舗を6月末にオープンしました。勝久氏は「前の会社とは競争したくない」と言っていますが、大塚家具の春日部店などと完全に競合するのではないですか。

大塚:まあ、そうですね。基本的に(匠大塚)は大塚家具からスピンアウトしているわけなので、DNAは同じですよね、当然のことながら。根本的に違うことをやるというのはまずないだろうなとは思います。だから、今までの普通の同業の競合家具店との競争と類似のとらえ方をすればいいと思うんです。

規模で劣る大塚家具の春日部店は厳しくなりそうですね。

大塚:もともと春日部は創業の地なので店舗をずっと置いています。一方で当社は大型店への売り上げ依存度が高く、有明(東京・江東)や新宿、大阪などの店舗が核になっています。もちろん春日部が重要じゃないと言うつもりはないのですけれども、基本的には(匠大塚とは)ローカルの競争ということになります。きちんと従来のお客様にアプローチをして、顧客リレーションをちゃんと維持していくことで、それほどマイナスの影響を受けないようにはできると思います。春日部の地域としては、業者が増えて選択肢が増えると活性化するというプラスの面もあると思います。我々としては自分たちの営業努力で十分やれることがあります。

匠大塚は東京・日本橋の1号店や春日部にとどまらず、出店していく意欲を持っています。似たビジネスモデルの2社が併存し、長期的に縮小する家具市場で成長していくのは難しいのではないですか。いずれ2社が合併する可能性はありませんか。

大塚:それはあり得ないでしょう。テクニカルに会社が合併することは法的には許容されますけれども。ご存じの通り、1回、プロキシーファイトをやっていて、当然、我々には株主がいるのです。

プロキシーファイトをした相手が、匠大塚を経営しているということですね。

大塚:経営の安定性を損なうような合併というのを株主が了承するわけがありません。テクニカルには確かにできるかもしれませんけれども、今のガバナンス体制ではそれは不可能ですよね。