店舗のスクラップ&ビルドも課題に

大塚:私が社長に就いた2009年からの事業モデルの移行は、結構、長期のプロジェクトになるのです。私が社長を離れたことなどで、それが途中で中断し、非常に事態が難しくなった面はあります。

 例えば、いわゆる会員制のモデルから一般的な小売りのスタイルを取り入れていこうというときには、それにふさわしい立地も変わるのです。従来のように目的買いの顧客だけを取っていこうということであれば、オフィスビルの空中階であってもよかった。けれども、もっと日常的にインテリアに興味を持ってもらって、単品の購入とかインテリアのアクセサリーもと考えたときには、商業施設として、ふらっと来られる場所がいいわけです。

 ですから店舗のスクラップ&ビルドなんかも含めてやらないと本当の意味での移行はできないわけです。2009年からはオフィス型の店舗を閉めて、商業型の店を出していくというプロセスを始めたのですが、プロジェクトの中断があったことで、遅れた面があります。例えば千葉県では商業施設型に店を出そうとしてきましたが、ようやく今年9月に船橋市に新店が開きます。

改革の中断というのは、店舗網の再構築以外でも影響がでましたか。

大塚:商業施設型へと店舗を変えるのと並行して、徐々にオペレーションを変えることをやっていくわけです。社員研修の仕方も徐々に変わっていかなくてはならないし、お店の中のつくり方も変わっていかなくてはいけない。自由に見ても分かるようにするには、お店のコマの割りとか、ゾーニングなんかも変わってきます。そういうものも、途中で中断した難しさはあります。

 それと、やっぱり(委任状争奪戦で)あれだけの騒ぎになったら、心の動揺も社員の中に生まれてくる。それまで、こういうやり方でやろうよと、少しずつ腹落ちするような形で理解してもらってきたものが、いったんそれが中断すると、頭も混乱しますよね。気持ちも混乱する。もう1回、みんなに頭を整理してもらって、こっちに行きましょうというのには、難しさは出てきますね。

昨春に新たな中期経営計画を打ち出しましたが、振り返ってみて誤算がありましたか。

大塚:当初考えていたスケジュールとは少し狂ってしまったというのはありますね。こうしたことの影響の度合いというのが、完全に読みきれていなかった。ただ中期計画では、こういう方向に変わりますというのを、世の中にはっきりと示しましたので、事業モデルの変革は急速にやっていきたいのです。最初に考えていたスケジュールから大きく遅れれば、やっぱり消費者に見放されてしまうという心配もあります。いろいろおしかりも受けることは多くはなりますが、逆にどういうふうに大塚家具がなっていこうとしているのかを、見ていただく機会も増えると思います。