接客法の習熟、想定より時間かかる

販売員が新しい仕事の仕方に、なかなか適応できないというわけですか。

大塚:おそらく普通の小売店は初めから、そういう接客のスタイルなので、慣れているわけですね。でも私たちは、数年前から少しずつ変えてきたとはいえ、入り口に受付が残っている、従来の会員制との折衷のスタイルでやっていたわけです。それが今は完全に、とにかく入っていただいて、見ていただくことが第一というスタイルになっています。その上で私たちが努力をして、上手にお客様の気持ちに添った接客ができるようにしていこうというのが今の方向です。それがきちんと身に付き、定着するまでは、なかなか努力が必要なのです。

 ただ、思ったよりも時間がかかっているなという印象はあります。お客様からも相当ぎこちないよねというようなお声もいただいております。だいぶぎこちなさもとれて、急速に進歩はしているのですけれども、まだまだ100%じゃないというところです。野球で、よくフォームの改造と言うじゃないですか。より高いレベルに上がるためにはやらなきゃいけないのだけれど、その途上では成績は悪くなりますよね。私たちの現状も、それに似ているかもしれません。

5月の売り上げの落ち込みが大きく、2016年12月期に15億円の営業赤字に陥る見通しだと、6月3日に発表しています。業績予想を下方修正した要因としては、お話しされたような接客の問題が大きいのでしょうか。

大塚:そうですね。上期(1~6月)のすでに終わったところの実績を見て、それを単純に下期の計画に足し込んだ予想です。店舗別に見ると、やっぱり進ちょくの度合いに多少スピードの差はあるわけですけれども、新宿店など、かなり受注が戻ってきているお店もあります。上期の状況がずっと続くという意味で、通期が悪いという予想ではないのです。下期については、中間決算のときにもう1回、見通しは立て直そうとは思っています。改善のスピードというのをどう見るかですね。

事業モデル改革の方向性が正しいかどうかというよりも、大塚勝久氏との委任状争奪戦に伴う騒動や、同氏との対立の構図が続いていることが、社員の働きぶりに影響しているのではないですか。

大塚:どうなのでしょうね。やっぱり人間ですから、いろいろな報道などを見て、全く何も感じないということはないと思うんです。心の動揺というのは、あるのかもしれないです。

2015年3月の株主総会で久美子社長の続投が決まりましたが、勝久氏とはそれまでの数年に渡って、路線の対立があったようです。さらに久美子社長は2014年7月に解任されて、2015年1月までの半年間、社長職を離れていました。こうした一連の混乱で、すでに会社はダメージを受けていたのではないですか。