新しい社名はアルファベット表記になります。「スバル」ではなく「SUBARU」と。

吉永:これは私のアイデアではありません。今年3月ぐらいに社内の数人にまず意見を聞いて、賛成だというので、それで経営企画部に具体的に検討してくれと言ったんですね。

 そうしたら、「SUBARU」で行きたいというアイデアだったんです。ここまで会社がグローバルになっているんだからということで。さらに、「前株」(社名の表記で「株式会社」を前に置くこと)がいい、体言止め、というのが適切な表現かどうか分かりませんけど、そうしたいと言うんですね。「SUBARU株式会社」のようにだらだら行かず、「株式会社SUBARU」がいいと。

今は「富士重工業株式会社」ですね。

吉永:本当にそう言われたんですよ。だからその場で、「じゃあ分かった」と決めました。
 本来こうしたことは、私が決めるべき話ではないと思うんですよ。この先、私よりも長くこの会社にいる若い人たちが、将来のことを考えてこれで行きたいと言うんであれば、「分かった」と言うのが自分のスタイルなので。何だ、カタカナじゃないんだとは思ったんですけど(笑)。

社員にはいつどのように伝えたのですか。

吉永:記者会見をしたのと同じ日です。5月12日、記者会見が12時45分スタートでしたから、その5分前、12時40分に全社員に一斉にメールを送りました。

みな驚いたのではありませんか。

吉永:そうですね。社名のことは言っていませんでしたから。私は会見会場に移動していたので直接見たわけではありませんが、いきなり知らされて、オフィスはずいぶんざわついたとか。

普通に考えれば、「○○委員会」などが立ち上がって、そういう雰囲気が伝わるものです。

吉永:そういうのは何もありません。それが最近の当社のやり方なんです。私の性格でもあるのでしょう。「際立とう2020」も、現場からの積み上げ型ではないんですね。「こう行くから、あとは考えよう」というスタンスです。社名の件も、議論が起きる前に終わっていますから(笑)。聞くから議論が起きるんですよね。
 その代わりに、大きな方向を発表したらそれをきちんと説明し、皆でどうやってそのテーマに取り組むかを考えてもらうようにしています。社名変更についても、ちょうどプロジェクトチームがが立ち上がったところです。看板を入れ替えたり、航空宇宙カンパニーだったら、契約書も全部入れ替えるといった実務もありますから。

実際、社名変更にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。

吉永:社内で調べてもらったんですが、確かパナソニックさんは300億円ぐらいかかったと。それに対して、うちは2億円もかからないかもしれないと言うんです。確かにそうですよね。販売店もみんな「スバル」ですから。社員の名刺や事業所の看板などは替えなくてはいけませんが、それほど多いわけではないんですね。

(後編に続く)