資金が社会の中で循環すれば、日本はもっと良くなる

村上ファンド裁判から今日まで、絢さんの目から見て、日本は変わりましたか?

村上さん:投資の面で言えば、変化していると思います。コーポレートガバナンス・コードも導入され、株主の意見が尊重されるようになりました。1990年代には5%と言われた外国人投資家の比率も35%に高まったと聞きます。

絢さんからご覧になると、村上世彰氏は、どんな人物ですか?

村上さん:父はもともと経済産業省(在籍当時は通商産業省)出身であり、日本に貢献したいという思いが強いのではと思います。父がファンド時代からずっと唱えている「日本の上場企業へのコーポレート・ガバナンスの浸透」についても、通産省時代に「コーポレート・ガバナンスを日本に浸透させる」担当となったことがきっかけだったようですが、その時に「これこそ日本の将来のために絶対に必要なことだ」と強く感じ、その思いに動かされて今日まで投資活動をしてきたと言っています。

 対して私は、高校時代に留学し、友人も外国人や外国居住の人が多いせいか、「日本」に対する思いにおいては、父とは少し感覚が違うように感じています。

では、絢さんが、それでも日本の非営利組織を支援する理由は何でしょうか。

村上さん:日本を見ていると、もったいないと思うからです。ようやく政府の主導によって内部留保の問題や労働生産性や労働人口の問題などが認識されてきていますが、まだまだ上場企業や非営利団体を含む資金循環が十分になされているとは言えません。でも、それが実現すれば、この国はもっとよくなると思っています。

 ただ、社会全体を変えていくにはまだまだ時間がかかると思います。だからこそ、村上財団として非営利団体を支援することで、今、この国が取り組むべき問題、一刻も早い対応が急がれる問題の解決に貢献したいと考えています。

■訂正履歴
記事のリード部分で「強制調査では、絢さん自身も捜査対象に」とあるのは「調査対象」の間違いです。お詫びして訂正します。記事は修正済です。 [2018/7/2 7:00]