いつから、非営利団体の支援をするようになったのですか?

村上さん:もともと父(世彰氏)が、2007年にチャリティ・プラットフォームという組織を立ち上げ、NPOなど非営利団体やプロジェクトの支援をしていました。

 チャリティ・プラットフォームでは500を超える団体の方々から直接話を伺い、非営利団体の活動の実態、どのような支援が最も必要なのかを調査しました。結果、「活動に必要な十分な資金が確保できない」ということが最大の問題点であると分かったのです。

 一方で、多くの人が寄付をしていないのは、「どこに寄付していいか分からない」ことが大きな理由であり、さらに「寄付をしても、自分に何ができたのか分からなくて継続していない」というケースが非常に多いことも分かりました。

 チャリティ・プラットフォームではまず、どんなNPOがあり、どんな活動をしているかをリスト化し、何か支援をしたいと考える人が、自分の考えに合致する寄付先を簡単に探せる情報サイトをつくりました。そして、団体側からは「いくらの寄付で何ができるのか、できたのか」を発信していただくように努めました。

 同時にチャリティ・プラットフォームとしても、様々な団体や活動に5億円規模の助成を実施したり、イギリスで最大のクラウドファンディングのサイトを日本へ持ち込んだり、企業連携型のチャリティ・キャンペーンを実施するなど、日本に寄付文化を根付かせるために中間支援組織として活動しました。その後、2016年にファミリー財団として村上財団を創設し、現在、よりダイレクトなNPOの支援に取り組んでいます。

村上財団はどんな視点で寄付先を選んでいるのでしょうか。

村上さん:今回の虐待防止キャンペーンもそうですが、現在は女性と子どもに関する分野が中心です。一つには自分も女性であり、子育て中ということもありますが、日本の現状を考えると、労働力としての女性を確保していくために、最もボトムアップしていかなくてはならないフィールドだと思うからです。具体的な支援実績としては、障害児保育園の開園に関わる費用やブラック校則を見直す活動、養育費不払いをなくすために尽力する団体など、12の団体やプロジェクトを支援してきました。

<村上財団の支援実績=抜粋>
生活が厳しい家庭に食品を届けるプロジェクト。東京都文京区で取り組みをはじめ、全国への展開を目指す。村上財団は初動資金を寄付。
困難な環境にある子どもの学習支援を展開するNPO法人キッズドアが実施した『U-25 TOHOKUソーシャルビジネスコンテスト』を支援。
NPO法人フローレンスが開設した障害児保育園ヘレンの運営資金を支援。

ちなみに財団の原資は? また、寄付金額に目安などはあるのでしょうか。

村上さん:固定した原資のようなものはなく、案件に対して必要な金額をその都度協議し、投資活動から得た利益を寄付をする形をとっています。

 一回の寄付は100万円の時もあれば数千万円の時もあります。支援に関して決めている金額は特にありません。支援させて頂きたい団体とのコミュニケーションを通じて、寄付の金額を決めさせていただいています。例えば、設立したばかりの団体に、事業が軌道に乗るまでの計画を教えていただき、そこまでにかかる費用を支援させていただいたこともあります。