男性でも平均使用時間は10分弱

長いですね。ウルトラマンみたいに3分超えたら、「ピーコン、ピーコン」とアラームを鳴らせばいいんじゃないですか。

小浦:そう、乱暴なことはできません(笑)。例えば、外で待っている人にも使用時間を見せてしまうと、出てきた人に「オマエ、30分も籠もりやがって……」と喧嘩になっちゃう恐れもある。そういう運用にすると、かえって個室から出にくくなってしまうかもしれません。

たしかに。急かされると、出てくるものも出てこなくなりそうです。

小浦:社員が何百人もいて、感じ方も考え方もいろんな人がいます。使用時間を表示すれば劇的に効果は出るかもしれませんが、いろいろなハレーションが出て、サービス自体を止めなきゃいけない事態に陥るリスクもある。

 やっぱり、導入期としてはソフトにやりたいと思ったので、ユーザーが見える画面では使用時間までは示さず、マークで表示することにしたのです。青色と黄色そして赤色で、おおよその待ち時間を示すことにしたのです。

ちなみに色分けの定義はどうなっているんですか。

小浦:入ってから5分以内が赤色で、10分以内が黄色で、10分以上が青色としています。その基準自体は、実態を見て決めました。実は、男性でも個室の平均使用時間が10分弱です。

「Toilet IoT」を利用すれば、オフィスのトイレの混雑状況がリアルタイムにスマホ画面に表示される

平均でもそれだけ長いんですか!トイレで普通に用を足すだけなら5分以内じゃないですかね。

小浦:毎日、データを取っているのでかなり正確です。我々の中でピークタイムと呼んでいる11時から3時までで、平均使用時間は9分47秒です。1日の平均が9分43秒なので、ピークタイムは若干、長いですね。

 ランキングも見られます。前営業日の中で一番短い人は2分4秒です。誤作動を避けるために、2分未満の人はデータを残していません。

その人を表彰してあげたらどうですか。「あなたはスピードトイレッターだ!」みたいな。

小浦:短い人がいる一方、長い人だと47分とか39分とか入っています。1日に1人は必ず、40分台の人がいますね。

トイレでは電源が取りにくい

同じ人かどうかは分かりませんが、毎回トイレに行って40分以上も帰ってこない人がいたら、その人は社会人としてどうなんでしょうか。体調が悪いのなら医務室とか休憩室とかほかに行くべきところがあるし、早退するという手段もあります。40分以上と言ったら、5人分の使用時間を1人で占有しているわけでしょう。男性の場合、個室というのは原則「大」だから、すぐ排出しなきゃ困るものじゃないですか。やはり、本人にだけでも、使用時間を知らせた方が良いんじゃないですか。

小浦:トイレのドアの内側に使用時間を表示しようとしても、実は、物理的なハードルがあります。トイレというのは電源が取れないんですよ。これはIoT機器全般に言えることなんですけど、電源の確保がキモになります。

 大抵のトイレの個室にはコンセントが1つありますが、通常は温水洗浄便座に使われています。だから、電源の確保が難しいのが実態です。それに、何か新しい機器を設置することに対して、ビル管理会社さんからはあまり良い顔はされませんね。自社ビルをお持ちの会社なら問題ありませんが、テナントとして入居している会社だとすると、共用トイレに大きな改造をするのは難しいはずです。先ほどお見せしたセンサーはサイズも小さく、消費電力も微弱なのでビルのオーナー側にも了承してもらいました。