長い人は1回に40~50分も個室を占有する

「Toilet IoT」の開発を主導したインテリジェンス ビジネスソリューションズ(7月1日より「パーソルプロセス&テクノロジー」に社名変更)の小浦文勝氏(システムソリューション事業部 ゼネラルマネジャー)。「Toilet IoT」の説明はこちら

システム開発などを請け負っている御社では、SE(システムエンジニア)やプログラマーとして働いている方が多いんですよね。失礼ながら、職業上、何かトイレが近くなる要因とかあるんでしょうか。

小浦:「IT業界の男性はおなかが緩い人が多いんじゃないか」という説があることはあります(笑)。真偽はともかく、とにかくウチの会社はいつもトイレが混んでいるという印象がありました。それで、トイレの稼働状況を見える化する仕組みを考案しようということで、開発が始まりました。

 で、調べてみたらびっくりしたんです。トイレに入っている時間というのは人によっては結構差があるんですが、長い人だと40~50分も籠もっているのです。

えーっ!1回で1時間近くも入っているんですか!それって、トイレで用を足しているというよりも、スマホでゲームしたり、動画を見たりしているんじゃないですか。あるいは居眠りしているとか。

小浦:勤務時間中に遊んでいるのは問題ですが、我々の意図としては、社員に対して1人当たりの使用時間が、自分が思っている以上に長いんだよ、ということに気付いてほしかったんです。

 言うまでもないですが、トイレは皆で使うものです。体調が急に悪くなってトイレをどうしても使いたいという人がすぐに使えない、という状況を少しでも改善したかったのです。

それを聞くと耳が痛いですね。私もよく家族から「トイレに入っている時間が長い」と文句を言われるんですよ。私にも言い分があって、「出」が悪い時に「ウォシュレット(温水洗浄便座)」で刺激すると出てくることがあるんです。だから、何度か刺激しているうちに時間がかかってしまう。

小浦:そうですね。トイレの使い方って、人によってちょっとずつ違うんだと思うんですよね。別にサボっていると疑うわけじゃなくて、使用時間が長い人は寝ているかもしれないし、気を失ってしまっている人もいるかもしれない。その場合は、すぐに助け出さないといけません。

この間、聞いて驚いたことがあるんですが、最近の女子学生は昼食をトイレの中で取る人が少なからずいると。友達が少ない人は一人でぽつんとランチを食べているところを他人に見られたくない。そのため一人で個室の中で食べてしまう。それって不衛生だし、社会的な問題ですよ。

小浦:トイレの利用用途は確実に多様化してきていて、それに伴って使用時間も長くなってきています。要因はいくつかあります。この10年くらいで便器の洋式化はかなり進みました。公衆トイレでも、和式の便器は見ることが少なくなってきました。

スマホの普及がトイレ使用時間の長期化を助長

たしかに。和式だとずっと座っていられないから、長居はしにくい。

小浦:もう1つは、先ほども話に出て来たスマホです。2007年にiPhoneが登場して、今年で10年です。スマホ時代が到来して、いくらでも時間つぶしができるデバイスが万人の手に渡りました。そのような環境変化があったので、トイレの使用時間が長くなったと言えると思います。

私もトイレに入るとき、ほぼ必ずスマホを持って入ります。大体は記事を読んでいますが、気分転換にSNSをチェックすることもあります。会社だと後ろに偉い人が座っているのでやりにくいですよね。Toilet IoTの導入に当たって、社内から反発はなかったんですか。そこまで監視するのか、うちの会社はみたいな。

小浦:可視化の仕方を工夫しました。最初は、個室ごとに「何分間、使用しています」という情報を公開しようと思ったんです。実は、管理者画面では、各個室の使用時間が表示されます。例えば、今一番長く使っている人は18分を超えています。