こうした考え方は、組織のトップに立つリーダーが備えておくべきだと説かれています。
石上:先日も超党派の国会議員さんの朝食会で話をさせていただき、こう申し上げました。政治家と仏法とのつきあいは、とても難しい。なぜなら、政治とは権力闘争そのものだからです。
どこまで無心になれるかが問われる
「オレがオレが」の世界で生き残り、そこで勝利しなければなりません。選挙に勝ち、地位を得なければ志を実現するステージには立てません。だとすると、仏様の心を優先させていてはパワーダウンするのではないかと。
しかし政治家とは、決断しなければならない方々です。国家国民のため、人類の幸福と平和のため歴史を変えなければならない。少しでも前に進めることを使命とされている。当然抵抗勢力も出るでしょう。
そのような難局にあって、次の選挙や個人的な名利が先になるようでは、適正な判断は難しい。俗な言い方をすれば、どこまで無心になって行動できるかが問われる時が、必ず訪れるはずです。情報の収集分析や必要な政策判断と同時に、政治家にも人間としての器というか人格それ自体が問われる時があります。
その時、仏様の教えが心に響くでしょう。

政治家だけでなく、企業組織のリーダーにも同じことが言えますか。
石上:民間の組織は、日の丸を背負っているわけではありませんから、経営は自らの責任です。当然ガバナンスの質が問われることになります。執行権は強く、良質で、安定しており、しかもチェック機能が常に適正に働いていることが理想でしょう。
強い権力が長くなると、傲慢になるか、腐敗するか、組織を停滞させる危険があります。ここでも、その衝に当たるリーダーの能力と、器量というか人格が問われるということではないでしょうか。変化の激しい時代、リーダーの資質はますます大切になっていると思います。
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