中国の消費者は真っ白な紙

:はい。十分に受け入れられると思っています。というのも、中国の消費者の頭の中というのは、まだまだ真っ白な紙に近いと思うからなのです。

 中国という国は、いろいろな歴史がありましたが、ちょうど40年前に文化大革命が終結し、一般人が解放されました。しかし、まだまだみんな、どうやって豊かな生活を送ったらいいか分からないんです。ファッションとは何かが、分からないんです。一昔前は人民服を着ていましたから。今までは従来の中国文化の中のいろいろな伝統的な習慣があった。それでいきなり解放しても、消費者の生活スタイルはこれから作られる。

 例えば、海外のドラマとか映画を見て、ああ、これは素晴らしいな、とか。だからほかの国よりは非常に海外を受け入れやすいと思うのです。これが現在の中国人の特徴なんです。

 我々は小売りですから、消費者にいろいろなことを提案して、そして商品を持っていく。消費者の生活スタイルを豊かにさせるという機会に我々はあるのです。今回は日本ですが、ヨーロッパもそうだし、アメリカもそうだし、その国の素晴らしい文化とか、商品を中国の消費者に届けていくことをしたいのです。

 中でも特に日本のいいところは、世界中のいろいろな文化が、混ざっているところでしょうか。もともとは中国文化が色濃かったのですが、その中国文化がある段階で止まって、そこに欧米文化が混ざっていった。1つの発展型が日本文化だと思います。

 また、日本には四季があるので、商品でいえば1年間に4回、またそれ以上に変わっていくかもしれない。それが日本のライフスタイルです。こういった日本社会の進んでいるライフスタイルの提案というのが、事業としては数十年間はできるように思っています。

ショップをオープンしてから約1カ月が経ちました。反響はどうでしょうか。

:まずまずだと思っています。まだ、テスト的な意味合いも強いのですが、売り上げも上々だと思っています。

 やはり、やってみないと分からないところもあるので、今は売り上げデータなどをメーカーと共有しながら、今後の製品戦略を考えられるところまで来ました。例えば、中国ではどのサイズのどの色が売れるのかとか。今回はまだ、中国向けに新たに新商品を開発したというブランドはないのですが、今後はメーカーと一緒になって、新商品開発にまでつなげられればと考えています。

今回、武漢に店舗を作りました。この後は、どのように展開されようとしているのでしょうか。

:来年からはもっと大型の施設を計画しています。最初の武漢ではセレクトショップでした。来年以降はアウトレットパークとかショッピングモールとか、そういった規模の施設をオープンしていく予定です。

 具体的に話が進んでいるのは西安の二つの施設です。来年の初夏と秋に、ショッピングセンターと国際アウトレットモールを建設するつもりで、現在着手中です。西安の郊外になるんですが、中心地からはクルマで1時間ぐらいのところです。西安は登録人口で800万人ぐらいの都市で、非常に成長しています。

 リゾートで著名な福建省の泉州にもショッピングセンターを建設します。また雲南省の昆明、ここは新幹線が開通したのですが、ここにもショッピングセンターを計画しています。

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