日本への影響はどうですか。あまり大きくないとの声もありますが。

伊藤:ロシアまで含めた欧州全域と日本との経済関係を見ると、例えば、日本企業の売上高の内、欧州は14.1%。輸出は12.1%、輸入は15.2%、経常利益では9.9%というところです。北米やアジアに比べると遙かに小さいのが実情です。ここから考えると日本経済の失速リスクにつながるということはないと思います。

 ただ、円高にはなるでしょう。欧州のリスクが安全通貨としての円に、マネーを向かわせる構図はありますから。米国も景気にやや停滞感が出てきて利上げは慎重にならざるを得ないところですし、円高に振れる可能性は高いでしょう。

デーヴィッド・キャメロン首相は辞意を表明しました。EU離脱交渉の仕方も変わるのでしょうか。

伊藤:今までキャメロン首相は、国民投票で英国のEU離脱が決まれば、すぐにEUに離脱告知をするといっていました。しかし、辞任するとなると、それもどうなるのか。

 後任の候補とされるのは、前ロンドン市長のボリス・ジョンソン氏ですが、彼は告知の前にEUと交渉をすると言っています。離脱派の主張である移民のコントロールを英国が出来るようにするなど、条件闘争をしていこうということでしょう。しかし、EUが受け入れるとは思えません。

 そういうプロセスを経ていくと、離脱は英国の2020年の総選挙より先になる可能性も出てきます。まだ、これからいろんな事が起きてくるはずです。