狩山:揉める時もありますけどね(笑)。でも基本、みんな「いいドラマをつくりたい」という部分ではベクトルは同じなので、揉めてもそれなりの範囲に収まります。

鈴木:そこですよね。「現場のベクトルや思いが一つ」という部分は、テレビ製作の現場を見ていて羨ましいなと思う部分です。

 その点では、出版はかなり個人プレーの世界だと言えるかも知れません。記者や編集者は基本、「個人商店」みたいなもので、チームプレーというよりも、各自がそれぞれアイデアを練り、取材に行き、記事を書く。この辺は大きな違いでしょう。同床異夢で飲みに行っても、揉めるか、つまらないかどっちかですもん(笑)。

狩山:僕は飲みに行く以前から、スタッフやキャストともみんな同じ方向を見ているかどうかという部分には常に気を使っています。

鈴木:ゲキを飛ばすみたいなことも?

狩山:あります、あります。半分ポーズもあって、時には怒鳴ったりすることもあります。「今ここが大事なんだ」という空気を現場に作るのも自分の役目だと思っています。

鈴木:なるほど。やっぱりテレビの世界は大変だ。いやいや、大変楽しい対談でしたが、最後に狩山さんの方から原案に関する疑問などありましたら。例えば、ドラマで取り上げた4つの末路以外に気になったものとかありますか?

狩山監督が選ぶ「ベスト・オブ・末路」

狩山:「ああ、分かる!」と思ったのは、電車の中で「中ほど」まで進まない人の末路。あれ、僕も毎日、同じようなことを思っていたんです(笑)。

鈴木:本当ですか。

狩山:「お、このテーマをちゃんと取り上げてくれる人がいるんだ」と思って、一番好きな部分ですよ。

鈴木:ご自分でも毎日、「中ほどまで進まない人」に苦労させられている、と。

狩山:あんまりラッシュの時間には乗らないんですが、中途半端な時間だからこそ「奥が空いているのにドア付近は大混雑している」という状況に遭遇します。「本当に分かる!」と思いながら読みました(笑)。

鈴木:この本が出て1年経つんですが、残念ながら都内の電車の中は今も「中ほどまで進まない人」であふれています。そうした人たちをかわして奥に進もうにも、わずかでも鞄や体が触れると鬼の形相でにらみつけてくる人もいます。啓蒙が全然足りてないようで、是非ドラマでも扱ってほしかったんですが(笑)

狩山:本当はやりたかったんですけど、電車の撮影って手間が掛かるものなんですよ。それで今回はやめようという判断になったんですけど、パート2があればぜひやりたい末路の1つです。

PART2があれば「ドア横キープマン」はいなくなる!?

鈴木:ぜひお願いします! 「ドア横キープマン」を始めとする「電車で中ほど進まない人」については、僕自身、本当に長年疑問に思ってきたわけですが、これまた周囲には全く理解してもらえませんでした。「分かる」と言ってくださる人がいて、うれしい(笑)。

狩山:すごく分かります。

鈴木:では、連続ドラマ「○○な人の末路」、いよいよ佳境です。皆さん是非とも……。

狩山鈴木:よろしくお願いします!