鈴木:僕は今回、自分の書いたものがドラマの脚本になり、それが映像作品になるという体験を初めてしたわけですが、脚本から映像になる過程でも随分と工夫が加わることを知りました。映像化していく上での改良は、現場で監督や主人公の皆さん、スタッフの方が、最終的にこうしようとか決めていくものなんですか。

狩山:文字である台本を映像に起こしていく過程で、撮影前に「こうした方がいいかな」とイメージしている場合もあるし、実際にお芝居をしていく中で、もうちょっとこうした方がいいだろうとなる場合もあります。

 よく言われるのは、ドラマの台本は家づくりで言うと設計図であって、全体のイメージは素材やつくり手によって違ってくるということ。ある意味で、僕らの仕事の醍醐味でもあります。

鈴木:例えば、「事故物件を借りちゃった人」を演じた千賀健永さんが心理的瑕疵と書かれた不動産の契約書を見ながら、台本だと「心理的……」と口ごもるのに、作品中では「心理的ヒフ」と言い間違えるシーンがありましたよね(笑)。

キスマイの主演4人が現場で見せる素顔

狩山:あれは千賀君と現場で話していく中で、やっぱりここは口ごもるんじゃなくて何か言うべきだろうという話になって、千賀君に、「ぱっと見、何て読む」と聞いたら、千賀君がジョークで「ヒフ」と言うので読んだので、ああ、じゃあ、「ヒフ」で行こうと(笑)。

鈴木:確かに言われると「ヒフ」に見えてきます(笑)。

狩山:素顔の千賀君もあの役通りの楽しい人なんですが、一方でとても研究熱心なところがあって、台本を読んで自分のセリフをどう言うべきか、こうやりたいという部分を色々考えてきてくれる。役者として「すごく自然体で役を演じる力」があります。

鈴木:「事故物件を借りちゃった人」で心配だったのは、深夜放送なのに映像がホラーっぽくて怖いじゃないですか。一人暮らしの女性ファンも相当見ているはずだから大丈夫かなと思っていたんですが、千賀さんのコミカルな演技で中和されそうだなと(笑)。

狩山:千賀君が怖がっているのを見て、みんな怖がらず一緒に笑ってほしいなと思っています(笑)。

鈴木:「仮想通貨で思わず大金を手に入れちゃった人」を演じている横尾渉さんのリアル感も大変説得力がありました。予期せぬ幸運が転がり込んだ後の焦りとかがばっちり伝わってきます。原案では「大金を手にした後のよくある行動パターン」を書いてあるだけで、当事者の感情の変化までは細かく触れてないものですから。