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業界のルールに則れば、事故があったのは6階だから告知する必要はないのでは?

大島:私もそう思って営業マンに尋ねると、8階は8階でその後別件の自殺があったと教えてくれたんです。

…。

大島:ただ、こうした「事故物件でどんどん事故が起きる現象」はいわゆる心霊現象などではなくて、合理的な理由があると私は考えています。例えば、強盗殺人事件が起きたマンションは往々にして、防犯上の問題点を抱えている。転落死亡事故が起きたマンションなら、バルコニーの造りに問題があったりします。火災の場合は、消防車が通れない場所にありボヤで済まなかったなど、立地面の問題が考えられます。道路の突き当たりに位置し車が突っ込みやすい土地にある建物なら、1度ならず何度も車両事故の被害に遭ってもおかしくない。また、事故物件化すると、賃貸物件の場合、家賃を下げざるを得ません。その結果、安い家賃で入居してきた入居者と、それまでの高い家賃で住んできた入居者との間に溝が生じ、様々なトラブルが起きやすくなることがあります。

“呪いの物件”は大半が説明可能だが…

なるほど。表面だけ見ると「呪いの物件」のように見えても、そこには必ず科学的な根拠がある、というわけですね。安心しました。

大島:それでも、2重・3重の事故物件を全て理屈で説明できる、というわけではありません。私が知る限りでも1件、どうしても説明がつかないケースがあります。

え…。

大島:北九州の物件です。マンションなんですが、事の発端はまず302号室の住人が室内で自殺したところから始まります。その部屋はその後、競売にかけられました。事故物件と競売物件は重なることが多いんです。住人が孤独死してローンが滞納するというパターンもあるし、競売にかけられ落札され、立退き当日に自暴自棄になって執行官の目の前で自殺したという事件もありました。だから、この302号室が競売物件として売りに出たところまではとりわけ珍しい話ではない。問題はここから先で、競売でその302号室を落札したのが真上の402号室の住人だったんです。

そんな…。