米国景気は減速する可能性があるのでしょうか。懸念はあっても、そこまで言い切れる状況ではなかったように思いますが。

唐鎌:米国の景気拡大は今年3月で81カ月目に入りました。これは史上4番目の長さです。1970年代以降の米国の景気拡大局面の長さの平均は67.4カ月です。既に長さを見ても「そろそろ…」というところです。また、利上げや利下げなど金融政策が効き目を現すのは、実施して4~12カ月後と言われます。両者を考え合わせると、やはり利上げは難しいということになると思いますね。

図1 2016年4月に入り急速に円高が進んできた「米ドル/円レート」の推移

足元では止まっていますが、円高はどこまでいくと見ていますか。

唐鎌:ドル円レートで言えば、今後1年で100円と考えています。それは企業の物価ベースで見た購買力平価の(ドル高)上限が、歴史的に1ドル=100円辺りになっていたからです。2013年からのアベノミクス開始後、それを超えるドル高円安になってきたのは、「インフレ率2%の達成」を日銀が言ってきたから。インフレを前提に、本来の水準以上に円安が進んだと見ています。

 あえて言えば、1ドル100円まで考えていますが、一時的にはそれを超える円高もありえるでしょう。