モバイルやオンラインを巡ってメディア同士の競争が激化しています。その中で勝ち抜くには何を考えればいいと思いますか?

ジェイ:一つの答えはないと思います。答えている人がいるとすれば、ウソをついていると思いますよ。ただ、3つのことは言えると思います。例えば、あなた方の兄弟会社のFTはコンテンツに対する高機能の課金システムを持っています。そういった成功モデルを持っているのであれば、それを続けるべきです。質の高いコンテンツにカネを払う人は増えており、振り子は戻ってきているように思います。

「勇気を持って広告単価を上げるべき」

 二つ目は、出版社が広告で高単価を得るためには勇気が必要だということです。メディアはあまりにも長い間バナー広告を活用してきました。あの小さなバナーによって収益を得ているわけですが、一方で十分な収益を上げることができなくなっています。そのためのソリューションはバナーをたくさん作ることしかありません。結果的に、バナーだらけのサイトになってしまいます。広告枠の供給を減らし、勇気をもって単価を上げることがカギになると思います。

 三つ目は、広告を載せるプラットフォームを多様化させることが重要だということです。現在、成功しているメディアは複数のプラットフォームを持っているように思います。紙とデジタルと動画、あるいはデジタルと動画かどうかは別にして。

クオーツはスマホに特化することで、忙しいビジネスエグゼクティブの支持を得ました。その路線は今後も変わりませんか?

ジェイ:やりたいと思っていることはたくさんあります。最初の一つは、モバイルに正しく移行することです。モバイルへの移行は雑誌からウェブへの以降よりも、さらに難しくなっていると思います。記者のチャート作成を支援するソフトを作ったり、スマホのジャイロセンサーを活用した新たな広告表現を考えたり、様々な発明をしてきましたが、しなければならないこと、発明しなければならないことはたくさんあります。

クオーツがゼネラル・エレクトリック向けに作った広告(左)。地球を回転させてポイントをクリックすると、当該地域のビジネスが出てくる(右)
クオーツがゼネラル・エレクトリック向けに作った広告(左)。地球を回転させてポイントをクリックすると、当該地域のビジネスが出てくる(右)

 また、別の領域として動画やAI(人工知能)の活用も考えていくべきだと思っています。

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