藤原:父は15年前に亡くなりましたが、やはり私の銀行マンとしての原点にあるのは父の言葉です。ですから全国銀行協会の会長になるにあたって最もこだわっているのは、銀行員に、銀行員としての矜持を持ってもらえるようにすること。そのためにはしっかりした存在感、信頼感を築けるかが問われています。

ご自身が銀行マンになってからの30年間で、世間の銀行に対するイメージは変わったと思いますか。

藤原:どうでしょう。もちろん前向きな話もいただきます。「困ったときに助けていただいたから今がある」と言っていただくこともあります。ただ、まだそうはいっても十分じゃないところもある。そういう意味でいうと課題をしっかり認識し、慢心することなく、謙虚に現実に向き合って大胆に行動を起こすということ。そんな行動が、銀行にはまだ求められている気がします。

銀行人生で、いまが最も変化が激しい

10年後の銀行業界について、不安はありませんか。

藤原:いえ、私はワクワクしていますね。「悲観は気分で楽観は意思」って言葉が好きなんです。そういう意味でいうと、私はワクワクのほうが大きい。

 もう一つ好きな言葉が「No Challenge, No Life」です。自動車業界も電動化、自動運転、シェアリングエコノミーといった大きな波がありますよね。銀行もそれを超えるような大きな波に向き合っているんだと思います。

 間違いなく、私が銀行マンになってからのなかで、いまが最も変化の激しいときです。これまでも変化はありましたが、同じベクトルのなかで加速されたり減速されたり、という感じ。いまは完全に違うベクトルが新たに出現している感じではないでしょうか。

 我々は本当に変われるか。本当にお客・取引先、社会のためになれるか。時代の変革期に立ち会えることは厳しい試練でもありますが、しかしその試練に向き合えるのはビジネスマンとして最高に幸せなことだと思います。