源光:仏教には一切皆苦という言葉があります。この世のすべては苦しみであるという意味です。しかし仏教には涅槃寂静という言葉もあります。煩悩を消し安らかな気持ちで生きる状態、つまり悟りの境地です。ここにたどり着くまでにはまだまだ長い道のりはあります。幸い、私は30年以上仏教を学んだことで、ようやく菩提心が芽生え始めたのかもしれませんね。釈迦の知恵を頭で理解するのではなく、そのものが身にしみついてきたのです。
店が潰れそうなことが何度もありましたが、ぎりぎりのところで持ちこたえられています。外界で厳しい苦難にぶち当たっても、持ちこたえられる。むしろ、受難が私の背中を押してくれるというのでしょうか。新たな目標という肥しになります。
阿弥陀如来はどんな方でも迎えて下さる
世の中には居場所を失った人が溢れています。仏の道は彼らも温かく迎え入れてくれるのでしょうか。
源光:もちろん迎え入れてくれます。ただし、仏門に入るだけで必ずしも心が救われるわけではありません。仏門に入るだけで生活が成り立つわけでもありません。ただ、道を求める心は必要です。これは仏教に限らず、どの道でも同じことでしょう。それを承知の上でなら、阿弥陀如来はどんな方でも迎えて下さることでしょう。
特別付録「友達ゼロ夫×聞き手」

ゼロ夫:キャンペーンの最後の割には、随分と真面目なネタを持ってきたなw。これで本当にページビューが取れて、本の売れ行きにつながると思ってんの?
本当はもう少し「笑い」に行きたかったが、話を聞いているうちに茶化すネタじゃないと思ってね。
ゼロ夫:でも、ちょっとジーンと来た。いろいろ言われる今のシニア層にもいろんなことがあったんだなって。
ところで先週から随分、この本を応援してくれたのは何で?
ゼロ夫:何ていうかな。やっぱりキーワードは「居場所」なんだよな。本に収録した「友達ゼロの人の末路」を読んでさ、やっぱり俺は、この本を1人でも多くの人に読んでもらって「友達が少ない人間でもこの世界に居場所はいくらでも作れる」ってことを知ってもらいたい、と思った。
うん。
ゼロ夫:あとさ、本には「子供を作らなかった人の末路」も出てくるよね。彼女たちも、根っこは同じだと思うんだよね。本に再三書いてある通り、日本って国は同調圧力がすごくて、「人と同じ」から少しでも外れると、一気に生き辛くなる。「産休の女性が赤ちゃんのお披露目に来て辛い」とか、“普通の人”は「何て度量が狭い」って怒るんだろうけど、俺にはその気持ち、よく分かる。この本を読めば、「子供がいない人も社会に居場所がいくらでも作れる」って分かるよな。そういうさ、社会のマイノリティーの人たちに、元気を出してもらいたんだよ。
確かにそこは力を入れて書いた。
ゼロ夫:俺には伝わったぜ!!!
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