大企業だけが取り残されないために

経営陣や上司から、なんとなく外とつながってこい、といったお題が降りてきたからやっています、という状況ですね。

村上:しかも、そのお題には、スタートアップでいい技術があったら自社に取り込む方法を考えるという、要するに完全にコントロールしたいという外注型の発想から抜け切れていないものも見うけられます。

パートナーシップを結ぶのではなくて、取り込めと。

村上:スタートアップからの相談に乗ることも多いのですが、大企業側はスタートアップに対して、安く使える外注といった意識で接してくるといった不満の声をよく聞きます。スタートアップにしてみれば、大企業から声がかかるとビジネスが広がるといった期待を持つのですが、だんだんと「なにこれ、うちは下請けか」といった不満が募るというわけです。スタートアップは時間が勝負ですから、会社対会社の対等なパートナーシップを結べない相手とは、付き合ってはいられません。

 一見すると、些細なことかもしれませんが、大企業の担当者がスタートアップを訪問することがすごく少ないという話はよく聞きます。大企業にとっては、「我々がスタートアップの技術に目をつけました。ちょっと話を聞きたいので、本社まで来て下さい」というわけです。さすがに、それが毎回となると、ちょっとおかしいですよね。本当に、対等なパートナーシップを結ぼうという意識があるのか、疑わしくなります。

スタートアップ同士の連携はどうでしょうか。横のつながりで、足りない機能を持ち寄るといった動きはありますか。

村上:日本のスタートアップ文化は昔より成熟してきて、シリアルアントレプレナーの人たちがエンジェルとして活動するようになって、エンジェルを介して横のつながりは活発になっています。そこに、ベンチャーキャピタルも加わって、昔よりも情報やノウハウの共有が進んできていますね。

むしろ、大企業だけが取り残される可能性があるという状況でしょうか。

村上:そうならないように、大企業はもっとスタートアップとともに成長するという意識を持っていただきたいと思います。