しかし今後は、これが強みになると確信しています。工場を持たなければ、生産ラインを「埋める」ことを考えずに済みますし、製品ごとに最適な工場に委託できます。顧客のニーズを満たすために最適な手法を、選べるようになるのです。

 モノ作りあるいは加工工程で利益を稼ぐのは、どんどん難しくなっている。エレクトロニクスの分野で「モノ作りの力が強いから成長した」という企業の例は、あまり聞かなくなりました。ファブレスで成功できるかどうかは大きな挑戦ですが、やってやれないことはないと考えています。

4年以内のIPOを目指す

40%を出資する日本政策投資銀行は、長期保有よりむしろ株式公開を目標にしています。

西口:政投銀が出口を求めるのは当然のことです。それはすなわち、IPO(株式新規公開)を意味します。当初は5年以内のIPOを目指していましたから、残りはあと4年しかありません。この期限でIPOするのが、私の役割だと思っています。

 ただし、IPOはあくまでも結果です。

 ソシオネクストは富士通とパナソニックから分離されてできた会社です。業績が厳しくなって抱えきれなくなったから、外に出てきたわけです。現状のまま株式上場できるほど、世の中は甘くありません。

 経営の質を相当高めてグローバルで存在感を示す。ソシオネクストに集まった従業員が新たなパフォーマンスを発揮して、競争の中で勝ち残れる企業に変革していく。期待以上の結果を示さなければ、上場なんて無理でしょう。上場は政投銀のためだけではなく、自分たちが生き残るための道筋なのです。それだけ魅力のある会社に育てていきたいと考えています。