情報を伝えるのであれば、必ずしもARを使う必要はないのでは。「情報を盛り込んだ冊子を売り場に置いておく」のような方法もありえますよね。
ハンケ:それでもいいですが、だって面倒でしょう? 商品を手に取るという行為と、その商品についての情報を得るという行為を、シームレスにつなげられるのがARだと思います。デジタルですからコンテンツに制限がありません。映像や音声を加えることもできます。情報の説得力が増します。
何より大切なのはユーザー・エクスピリエンス(UX)です。消費者にいかに面倒をかけず、かつ楽しく情報を得てもらえるかが大切なんです。iPhoneもそうでした。iPhoneの機能のほとんどは、他社の端末でも既に実現できていたもの。けれど他の端末は操作が面倒だったり、デザインが醜かったりした。
いまでも売り場にQRコードを印刷したカードを置いておけば、消費者はスマートフォンでコードを読みとり、情報にアクセスできます。けれど、それって面倒ですよね。そうじゃなくて、デバイスが自分の視線の先にあるものを自動認識し、特に指示しなくても情報を教えてくれるようにしたいのです。
小売業との提携検討したい
旧来型の小売業との提携もありえますか。
ハンケ:喜んで検討したいと思います。レガシー企業で、自分たちのビジネスを一から作り直したいと思っているところは数多くあると思います。
2017年秋に、約200億円の資金調達を実施しました。
ハンケ:ベンチャーキャピタル数社と、中国のネットイーズに力を借りることにしました。お金は、ARの技術基盤を整えるのに使う予定です。2018年の最初の四半期のうちに、技術関連でひとつ、発表を用意しています。
ハリー・ポッターを題材にした新しいARゲーム「Harry Potter : Wizards Unite (邦題未定)」の開発も明らかにしました。どんなゲームになりますか。
ハンケ:まだお伝えできないですね……。
やはりポケモンGOのように、外を歩き回るゲームになるのでしょうか。

ハンケ: それはそうですね。さきほどお話ししたように「外出してもらって、街のいろんな場所を訪れてもらって、人とのつながりを楽しんでもらう」という3つのコンセプトはポケモンGOと同じです。ハリー・ポッターも、この3つのコンセプトがゲームの核となります。ただ、もちろん新しい技術も投入して、ポケモンGOとは違う体験も楽しんでもらえるようにしますよ。
ポケモンGOとはどう違うのですか。
ハンケ:それは、配信をお待ちください。
そもそも、今回の訪日の目的は何だったのでしょうか。
ハンケ:それも秘密です。ただ将来的なプロジェクトがあって、その打ち合わせのため、というのは一つの理由です。じきにわかります。お楽しみに……。
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