ただ、その意味ではレゴには既に「マインドストーム」という同様のコンセプトを持つ製品がありますよね。

ケント:確かに、あるのですが、マインドストームが対象としている年齢は10歳以上です。僕らがリサーチした学校の実態からすると、彼らにマインドストームはまだ難しかったのです。ブロックの組み立てから、プログラムの知識も、少し基礎が必要です。ついでに言えば、値段も張ります(笑)。

 そこで、もう少し低い年齢の子供たちに、遊びながらプログラミングの基本を理解できるキットができないかと考えました。対象としているのは、7歳くらいの子供たちです。

世界的にヒットした「マインドストーム」の弟分

 ですから、レゴブーストはマインドストームの弟分だと考えていただければいいと思います。特徴は、小学生の低学年でも簡単にプログラミングの仕組みが分かるようになるという点です。ブーストで組み立てるロボットは、マインドストームのような複雑な構造にはなっていません。

 7歳でも組み立てられる、基本的な構造をしています。プログラムについても、基本的にはタブレットを使って直感的に操作していきます。いわゆる「言語」ではなく、動作を示すアイコンを順番に並べていくことで、レゴを操作していく形です。

 簡単な操作で、例えばこんな動作をロボットに与えることができます。
 (下の動画を参照)

「レゴブースト(Lego Boost)」の操作を実演する。

ケント:この操作は、タブレットで「前に進む」「(弾を)打つ」というアイコンを順番に並べ、「再生」ボタンを押しました。アイコンなので、子供は直感的にロボットをどう動かしたいか、指示を出すことができます。

 常にプログラムがどの状態にいるのかは、アイコンが点滅することで示されます。ですので、例えば途中でロボットが動かなくなった場合、どの指示が問題だったのか、把握することができます。

 ポイントは、こうした遊びを通して、子供たちは、プログラミングの本質である論理的な思考を理解していく点です。ロボットを動かすためには、指示を的確に、順番に与えていく必要があります。この手順をより高度にしていくと、ロボットに複雑な動作を命令できるようになっていきます。

レゴブーストのために、専用のプログラミング言語を開発したのですか?

ケント:ご存知の方は見ればすぐに分かると思いますが、このアイコンは、米マサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボが開発した「Scratch(スクラッチ)」をベースにしています。MITとレゴは長らく共同研究を続けてきたパートナーで、マインドストームもその中かから生まれたものです。今回も、子供向けのプログラミング言語には彼らとの研究成果を生かすことにしました。