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玉川:分かりました。ではまずVIX指数ですが、これはボラティリティ・インデックスのことで「恐怖指数」と呼ばれるものです。市場が恐怖を感じた時に上昇するものです。

あ、それは聞いたことがあります。

玉川:VIXは指数ですから売買することはできません。このため、例えば「VIX指数が上昇した時に売って下落した時に買い戻す」という取引がしたければ、VIX先物を活用することになります。VIX先物とは、VIX指数が将来の時点でいくらになっているかを予想するもので、日経平均先物と同じ概念です。

分かる。ここまでは分かる。

玉川:シミュレーションでは1億円のうち3000万円をこのVIX先物を活用する投資戦略に投じるわけですが、VIX先物を直接取引するのでなく、VIX先物を詰め合わせたETNであるVXXを活用します。これがこの戦略の最大のポイントです。

先物を直接取引するのも、先物を詰め合わせたETNを取引するのも同じことでは?

玉川:それが違うんです。VXXは、VIX先物の期近が約60%、期先が約40%で構成されています。期近を100%保有して中身の入れ替えをしないと、期日になると保有銘柄の全てが現金化されてしまい、運用が終わってしまいます。だから、常に中身を入れ替えることが必要です。具体的には常に、期先を買ってきて期近を売ります。

まだ分かる。まだ大丈夫。

玉川:そしてここからがポイントですが、難しい話を省くと、VIX先物の中身は、S&P500先物オプションと非常に似ています。

難しいですが、とりあえず「VIX先物≒S&P500先物オプション」だと。となるとVXXは、「S&P500先物期先のオプションを買ってきて、先物期近のオプションを売り続けているETN」となります。あっ、なんか分かってきた気が…。

理論的には確実に結果を出す「魔法の商品」

玉川:そう、オプション価格は将来の不安に対する保険料の意味合いがありますから、期日が近づくと価値が落ちます。これがオプションの時間減衰効果です。

遠い将来は何が起きるか分からないから、保険料は高くなる。明日のことは何が起きるか大体分かるから、不測の事態に備えた保険料は安くなる、と。つまり、VXXは、高く買ったものを、安く売り続けているわけですから…。

玉川:何もなければ、“理論的には確実”に価値は減衰し、価格は下落して行きます。

おお。だとすれば、VXXを売るのは、株や為替がどうあろうと、“理論的には確実”に儲かる投資となる!

玉川:統計上は毎月5%、年率65%下がるとされています。そこまで行かなくても、年間5割は下がる、つまり売っておけば毎年5割は儲かる、というイメージでしょうか。