確かに虐待対策は後手に回っているし、保育園1つスムーズに作れません。
加藤:昭和の時代までの日本は、子供は「授かりモノ」と尊重され、社会全体で守り育てるのが当たり前の文化でした。今の日本の子供を巡る社会制度は、そういう昭和の文化を前提にしています。状況が変わってきた今、社会を根本的に作り変える時期に来ているのかもしれません。
よく分かりました。しかし、それにしても、「子供が嫌いな脳」なんて種族保存を至上命題にしている生物として、おかしい気がするんですが。
加藤:そう、生物として成立していません。
そんな脳になっちゃって、保育園建設に反対する高齢者の末路は大丈夫なんでしょうか。
保育園反対派の末路は、やっぱりあの病
加藤:大丈夫ではありません。ずばり認知症になる確率が高いと思います。というのも、保育園に声高に反対する人は、子供だけでなく人と接する時間自体が少ない暮らしを送っている可能性が高いと推察できるからです。そして認知症を引き起こす大きな要因は社会的孤立です。他人と対話し脳の記憶系や感情系の脳番地を刺激しないと、脳は成長しにくくなり認知症に向かってしまいます。
確かに他人と活発に交流していれば、子供と接する時間もそれなりに増えるはずです。逆に言えば、脳が子供を嫌いになるほど子供との接点がないということは、同世代の交流も少ない、と。
加藤:それに、孤立していていれば、人の声を聞かなくなります。人の声を聞かないと聴覚はどんどん鋭敏になる。当然、子供が騒ぐ声も耳障りになりますから、余計、保育園建設に反対するようになっているのではないでしょうか。
どうすればいいのですか。
加藤:子供に限らず他人と接する時間を増やすことです。友達と交流し話すことです。
えっ、友達?!
(注:聞き手に動揺が垣間見える理由は、「30~40代『友達ゼロ』は人としてダメか」参照)。
加藤:第三者と接すると脳は疲れますから、「一人の方が気楽」と言う人の気持ちも分かります。でも、冒頭にお話したように、脳は慣れないことはどんどん苦手になりますから、友人が少なく孤立した生活が長くなるほど、人と接するのが辛くなる。一刻も早く人と交流し、脳に刺激を与えることが必要です。
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