自民党と安保法制の修正案を協議した時、松田さんは裏取引したんじゃないかと疑われたそうですね。

松田:次の参院選の東京選挙区で、自民の候補者枠がまだ1人決まっていないと。それでそこに入れてもらうために交渉したんだろうと言われたんですよ。でも、もちろん裏取引など一切していません。

松田さんは違っても、今の自民一強の状況では、次の参院選や衆院選は鞍替えして自民から出馬したいという現職議員も多いでしょうね。

松田:「寄らば大樹の陰」ですよ。私は健全な議会制民主主義を発展させるなら、今の状況は本当に危険だと思っています。本気で国のためを思っているなら、そういう発想にはならないはずです。

 でも、とにかく次勝てればいい、当選したい。特に今の自民党だったら当分安泰だろうから、自民に入れてもらって当選を重ね、いずれ大臣になれればと思っている人ばかり。あれだけ、みんなの党で「改革だ」と叫んでいた人が、国会に立って驚くくらいに前と逆のことを言っている。信念も何もなかったんだろうなと思いますよ。

「議員はやめた方がいいと?」

松田さんは先日、『愚か者』という書籍を出版しました。起業家として「タリーズ」を立ち上げた経緯とその後の成功や挫折、さらに参議院議員に当選してからこの6年間の議員としての活動などをまとめています。一番訴えたかったのはどんなことですか。

松田:まさしくタイトル通りです。たとえ愚か者と言われても、リスクテイカーになって新しいことにチャレンジしていく。信念を簡単に曲げずにやっていく。そういう生き方を読者の方に感じ取ってもらいたいというのが、この本の趣旨です。

読んでみて正直なところ、経営者のころの松田さんの話の方が、議員になってからの話よりも格段に面白かったんですよ。それはまさにリスクテイクしたことがきちんと結果になって表れているからで、政治家になってからはそこがあまりはっきりとしないんです。

松田:自分の中でもそれが分かっているから、最初に言ったように「達成感がない」と思うんでしょうね。

だったら、なおさら経営者としてリスクテイクして、挫折もあったけれど成功も味わったという世界に生きる方が、松田さんとしてはより自分らしい人生を送れるんじゃないですか。

松田:議員をやめた方がいいということを(笑)。

いや、そこまで言っていませんが…。

松田:そうだと思わないこともありませんが、ただやっぱり自分がいて多少変えることができた点もありましたから。安保法案の修正なんて、私が元気会という政党を作っていなかったら、間違いなく出てきた法案のままで通ってしまったでしょうね。

 今すぐ、その結果がどうだということは分からないかもしれません。でも、数年後なのか、10年後なのか、存立危機事態と言われることが発生した時に初めて、私がやったことがプラスなのか、マイナスなのか評価されるのではないでしょうか。