ワイスボード:学生ばかりではない。同時期に300の中学と高校の教師に対して実施したアンケート調査では、「親は子供の何を最も評価しているか」という質問に対して、8割の教師が学校の成績と答えている。親は子供が価値観を形作るうえで極めて重要な存在。本音と建て前が一致していないことは、子供の人格形成に決定的な影響を与える。誰も自分が問題の一端であると自覚していない。

改革への反応はとてもポジティブだ

改めて、これまでの入試制度の問題は何か。今回の入試改革に何を期待しているか。

ワイスボード:私は3人の子供の父親だ。3人とも大学受験を経験したが、私の子供を含め多くの受験生が口にしているのは、あまりにも入試がスコア重視で、精神的なバランスや倫理的な側面を無視しているということだ。

 私は親や大学、高校が一丸となって入試制度を見直していく必要があると考えている。今回の改革案に対する全体的な反応はとてもポジティブで、入試審査を担当する職員ばかりではなく、カウンセラーや受験生の親からも支持されている。

 あらゆる感情を尊重しつつも、破壊的な衝動をコントロールする術を子供たちに教える必要がある。そして1回、2回の単発ではなく、継続的にコミュニティに参加して相互扶助の精神を学ぶ機会が子供たちには必要だ。

 他人のことを自分の責任のように感じて気遣う気持ちを持つ子供ほど、大人になり社会的に自己実現を果たし、なおかつ精神的にも満たされるというデータがある。今回の改革を通して、知的で共生的、健康的な社会を作りあげることのできる大人を育てたい。