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:それは誤解です。皆さん、ホームステイ先と聞くと裕福で温かい昔のホームドラマに登場するような家庭を想像するようですが、現実は全く違います。今の米国で、ホストファミリーに名乗りを上げるのは、シングルマザー(ファザー)や老人世帯が中心で、自宅の空き部屋を使って少しでも生活の足しにできればラッキー、という方が大半です。当然、多忙だったり、病気がちだったりで、言葉の通じない若い日本人に優しく異文化体験させてあげる余裕などありません。実際に、ホストファミリーと話をほとんどしない学生も沢山いる。与えられた部屋が窓もない半地下だった、という話もよく聞きます。中でも日本の男の子は無愛想で、現地では評判が悪いから、孤独化していく傾向にあります。

でも、そんな環境でも、頑張って卒業すれば「学歴ロンダリング」が完成するんでしょう。

:全然。なぜなら、今の話はコミュニティ・カレッジだからです。米国には約4000の大学があって、州立と私立に分かれます。まず、私立の頂点にあるのが、リーダー養成と人格的な高みを目指す「全人教育」を目的としたリベラルアーツ・カレッジと、そのリベラルアーツが大学院を持って大規模になった総合大学(ユニバーシティ)です。私立は総じて名門が多く、レベルも高い。一方、州立大学はピンからキリまであり、ハイレベルな総合州立大学、まあまあのレベルの州立大学、少しレベルの落ちる州立大学と来て、最も下がコミュニティ・カレッジとなります。高校時代、オール1でも問題なく誰でも入れる大学です。米国には移民の人たちが沢山いますよね。彼らが英語習得と職業訓練をするのがコミュニティ・カレッジの主な目的です。学校にはさしてクラブ活動もなく、多くの学生が授業が終わると飛び出して仕事に行きます。冒頭に話した様に、日本人学生が放課後、浮いてしまうのはそんな事情もあるんです。

全入時代に1000万かけ短大卒、専門学校卒資格を取得

じゃたとえコミュニティ・カレッジを卒業しても…。

:日本であろうと米国であろうと誰も「4大卒」とは見なしてくれません。コミュニティ・カレッジを卒業すると短期大学士号となります。コミュニティ・カレッジで何を学ぶかにもよりますが、日本でいうところの短大卒、専門学校卒というイメージです。

そんな…。2年通って6万~7万ドルかかるんですよね。

:実際は、コミュニティ・カレッジに入る前に語学学校に1年通うケースも多いから、もっとかかると思います。

極論すると、この大学全入の時代に、1000万円近いお金を払って、米国の短大卒、専門学校卒資格を取りに行っている、という感じですか。