番組の初期の頃に英国のある化粧品メーカーを舞台にしたシリーズを書き、これは実は実際にあった会社をモデルにしたものです。それがどの会社なのかが口コミで知れ渡ったらしく、女性は番組を通じてすっかりそのメーカーにほれ込み、就職してしまったんです。そして、そこの社員の男性と社内結婚をし、お子さんに恵まれたと。男性のほうも、実は番組のリスナーだったのだそうです。お2人は、日本法人における初の職場結婚だったそうです。

まさに、聞く人たちの人生を変えてしまったのですね。

杉田:もう1人の方は、大手総合商社の男性で、大学4年生の時から番組を聞いていたそうです。仕事で英語を使う機会はなかったですが、就職してからも番組は欠かさず聞いていたと。

番組が縁で結婚したカップルも

 そして当時のシリーズで何回か中国におけるビジネスの様子を取り上げたことがあります。この男性は番組での英語の勉強を通じて中国でのビジネスに大変興味を持つようになり、入社5年目の時に社内の試験に通って北京の大学に留学させてもらったそうです。

 この方は毎朝4時半に起きて中国語の猛勉強を続け、中国語日記をつけ続け、最初は本当におぼつかなかったのが、1年後には20分で2ページの文章が書けるほどになったそうです。今も、中国語と英語を使って中国関連の仕事に就かれています。素晴らしいと思います。

語学を身に付けたことが、人生の飛躍につながったのですね。番組を「卒業」して海外で活躍される方が多そうです。

杉田:そうだとしたら、大変嬉しいことです。海外に行くと、中国でも、米国でも、欧州でも「聞いていました」というお声掛けをいただくことが多いです。そうしたお声掛けをいただくと、ずっとやってきたことで、何か役に立ってきたのかな、と思えます。

ところで英語は学校でも習うので、文法的な細部にこだわる人も多いですね。テキストにケチをつけてきたりする人はいませんか。

杉田:ああ、時々いますね(笑)。ある時当時のアシスタントのダーシー・アンダーソンさんと話している時に、関西に「○○アンダーワールド」という名前の地下街ができた、というニュースを見て笑っていたら、彼女が「何がおかしいの?」と言ってきょとんとするわけです。

 私が「えっ、暗黒街という名前の地下街ですよ」と言うと、彼女はunderworldにそういう意味があるとは知らなかった、というので今度はこちらがびっくりしました。彼女はオレゴン育ちなので、シカゴ生まれの人だったら知っていたかも、とこのエピソードをテキストに書きました。英語の辞書に載っていることをすべてのネイティブの人たちが共有しているわけではないのです、といった趣旨で。