主導権をユーザーに移す

ガリバーは買い取り事業だけでなくクルマの販売事業にも力を入れています。どのような経緯でこのサービスは生まれてきたのでしょうか。

北島:新規事業として本格的に準備を始めたのは2015年夏ごろです。中古車の買い取りや販売を始めたのも、もともとは創業者の羽鳥(兼市会長)を中心に、「クルマを洋服のように選べる時代にしたい」「生涯に乗るクルマの種類を100倍にしよう」という考えがあったからです。クルマ選びのストレスをもっと減らし、カジュアルなものにしたいという思いは以前からありました。

 加えて会社、そして経営陣の危機感もあります。自動運転の技術が進化し、アップルやグーグルといった企業が新たなプレーヤーになろうとしています。日本でもDeNAさんなどが自動車関連のビジネスを強化している。10年前ならとても考えられなかったようなことが起きる中で、ガリバーとして従来のビジネスモデルが将来でもそのまま継続できる保証はなくなっているわけです。

 ですから、アマゾンが出てきた時の、バーンズ・アンド・ノーブル(米国の大手書店チェーン)側の気分ですね。新規事業は、現業を否定してもかまわない、という前提で準備を進めています。

確かに、「Uber(ウーバー)」などの使われ方を見ていても、クルマのあり方が変わりつつあるように思えます。

北島:例えばiPhoneはみな同じハードを使っているようで、アプリケーションを使うことで個人がアレンジできます。「何を使っているか」よりも、それを使って「何をしているか」が個性になります。「ユニクロ」も同じですよね。

 クルマも大量生産されている工業製品ですが、それをもっと自由に選べるようにすれば、主導権がユーザーに移っていくのではないでしょうか。我々がやりたいのは会員ビジネスですので、会員の移動情報などを使って他のサービスと連携することも可能になります。新サービスでは、そんなことにもトライしたいと考えています。

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