というわけで、月森さん、お待たせしました。山本さんからのラブコールを受けた時のことから聞かせてください。いきなりのことで、驚かれたのでは?

月森:実はサマリーのサービスには、山本さんからメッセージをいただく前から注目していたんです。

 私たちは倉庫業が本職ですから、モノを預かって管理するノウハウはあります。しかし、その先の展開となると、なかなか難しい。預かったものをヤフーオークションに出品できるサービスなどにも取り組み始めていましたが、預かったモノをもっと生かすことはできないか、と考える中で、山本さんが言うところの「モノの新しいエコシステムを作る」という考え方、そして、多数のユーザーの嗜好に関するデータに関心があったのです。

 ですから、ぜひ会いましょう、と。

「開けぬ箱に祟りなし」のタブーを破る

展開が素早い。ここでちょっと戻って、そもそも、個人向けの保管サービスを始めたきっかけを。

月森:寺田倉庫は元々、工場から出荷された商品などを預かるBtoB需要が中心でしたが、事業の多角化の一環としてBtoC、個人向けのトランクルームサービスを始めました。

最初は、荷物が詰められた箱をそのまま預かる、一般的なトランクルーム事業ですね。

月森:そうです。しかし、単に荷物を預かるだけでは差別化は図れない。そのままいけば価格競争に陥って事業自体が疲弊していくことは見えていましたから、もう一歩、先に進んだサービスが必要でした。

そこで、預かった荷物の写真を撮ってリスト化するサービスを始めた。しかし、預かった箱を業者が開けるというのは、いわゆるトランクルーム事業的には異端。

月森:お客様からお預かりしたものを、そのまま大事に保管する。「開けぬ箱に祟りなし」というセオリーからしたら、確かに異端ですね。

 しかし、BtoBの事業では、お預かりした箱を開けるのは、「当然のこと」なんです。例えば、メーカーから大きなケースで届いた商品を一つひとつ取り出して、シールを貼って、包装して、複数の届け先用に指定の個数ごとに分け直して、といった作業は、長らく手掛けてきました。

 ですが当初は、BtoBとBtoCはあくまで別の事業と位置付けていて、トランクルームはトランクルームらしく、といいますか、箱のまま預かることが当たり前でした。

 それを一歩先に進めようということになり、元々BtoBを担当していた私が担当することになり、「箱を開ければいいじゃないか」と。

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