山本:サマリーは、ユーザーが欲しいモノの情報を登録することでコンテンツがどんどん充実していきますが、当初からその先には、好みのものがレコメンドされ、実際に手に入れることのできるサービスへ進化させたいという構想を持っていましたし、徐々に実現でき始めています。アマゾンが本やCDでやっているレコメンドの仕組みを、POSのバーコードのないモノで展開しよう。モノの新しいエコシステムを作ろう。欲しいモノが、いつでも手に入る“四次元ポケット”的な存在になろう、と。

「四次元ポケット」を実現するラブコール

 サマリーポケットは、持っているモノを生かす新しいエコシステムということになります。押入れの中に埋もれているモノたちを改めてリスト化し、表舞台に引き戻します。僕はCDでよくやっていましたが、持っているモノを何度も買ってしまうといった無駄をなくしたりする効用もあるかもしれません。スマホの中にすべてのモノが入っていて、いつでも出し入れできる――これこそまさに“四次元ポケット”じゃないか、ということで、ぜひチャレンジしたいと考えました。

しかし、実際にモノを預かるノウハウはなかった。

山本:1年ほど前でしたか、寺田倉庫の執行役員である月森正憲さんとフェイスブックでやり取りする機会があったんです。

どういった内容だったのですか?

山本:サマリーと寺田倉庫で何か協業できないか、と。

すでに「minikura(ミニクラ)」という個人向け保管サービスを提供している寺田倉庫からすれば、わざわざサマリーと組むメリットはなかったのでは?

山本:ミニクラはPCをメインに展開しているサービスでしたから、スマホでユーザーのハードルを下げることで、さらに大きな可能性があると考えました。我々が目指す「すべての荷物を手のひらに」というコンセプトでスマホアプリによるサービスを充実させることができれば、もっと利便性が高まる。

 要は、いわゆるオンラインのサービスについて、どう考えるか。パソコンでの利用がメインで、スマホでも使えます、という位置付けのサービスがまだまだ多い。でも、そこから一歩抜け出して、スマホでいつでもどこでも使える、すべてが手のひらに収まるサービスこそ、目指すべきだと考えます。ウーバーだって、単にオンラインで予約できることが本質ではない。いつでもどこでも、あたかも自分の手のひらに、専用のクルマを持ち歩いているような感覚でタクシーを利用できることがスゴいわけですよね。ポイントはやはり、手のひらにすべてが収まること。そこがスマホの大きな強みであり、その先に、新しい形の情報の共有の仕方があり、モノのやり取りがある。

 サマリーで蓄積した「どんな人が、どんなものを好み、欲しがっているか」という情報と、寺田倉庫のモノを管理するノウハウを合わせれば、もっともっとすごいサービスができるはずだと考えました。

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